水資源・気象省 雨季の洪水を警告するが、昨年ほど深刻にならないと予報

水資源・気象省(MWRM)は27日(土)、今後の雨季にさらなる洪水が起こると予報しているが、その規模は昨年ほどにはならないという。

洪水位は最大8.35メートルと予想されているが、昨年の最高水位9.65メートルを下回るだろうとのこと。

水資源・気象大臣:リム・キーン・ホー氏は、この予報は地域の気象状況とエルニーニョ現象の影響によるものであると発言している。

今年のメコン川流域の降水量は例年より少ないため、洪水はそれほど深刻にはならないだろう。また近年のエルニーニョ現象の急速な進行により、今年の雨季の気象状況は予測不可能となっているともいう。

メコン川流域とカンボジアの両方で、降雨量は小量から中程度で、ほとんどが局地的に降雨があるだろうと同氏は付け加えた。

国家災害管理委員会(NCDM)・報道官:ソス・キムコルモニー氏は、気候変動により嵐や時には大雨が発生し、鉄砲水が発生する可能性があり、気候の急変には注意が必要と述べた。

また同氏は、今年は一部の地域で農業用水が不足しているという問題もあるとも指摘している。

カンボジアは基本的に農業国である。ここ20年、都市に集中する人口は急増しているが、統計上では農業人口が多数を占める。だが、これは実態とは乖離している。

カンボジアの統計では戸籍にあたる家族証明書なるものがあり、この証明に記入される人は出生後だが、プノンペンで生まれても、戸籍上は父母が農村出自なら、そのいずれかの出生地の家族証明書の記載となる。所謂(いわゆる)農村戸籍だが、中国やベトナムのように国家が厳しく都市か農村かで戸籍を管理するが、ここカンボジアは非能率でいい加減なのが、お役所仕事である。だから、統計上でも都市人口や産業別人口も当てにならない。実態は農村人口は急激に減っているが、社会保障制度はあってなきが如くの国であるから、不景気になれば失業者が増え、その受け皿はそれぞれの農村となる。その意味で、国家経済は農業に依存しているとなる。

そのため、その年の気象状況は、在カンボジア外国人の肌感覚とはかなり乖離して、クメール人(全体9割以上。米作りはクメール人に顕著である。)は天候に敏感とならざるを得ない。日々の降雨を言い当てる能力は農民には備わり、子どもですら後どのくらいで雨が降る、と時間を言って予想する。それが、よく当たるのである。近年の週間予報のような大まかなものは、やっと天気予報が概報で出せるようになりましたよ、というレベルのもので、TVも同様だから、日本のように天気予報を見て一日の時間割を考えるカンボジア人なんて皆無に近い。プーチン大統領の意図的な遅刻は有名だが、カンボジア人の約束する時間が、守れない、アバウトになるのはこうした風土から、けして悪意はない。

掲載写真:昨年の洪水、ラタナキリ州の高地 Khmer Times

おすすめの記事