観光省 中国人観光客の100万人を見込むが、期待は高く、実態は低い

今年、海外から400万人の観光客を呼び込むことを目標にしているカンボジアは、同国の観光産業の主要市場である中国から100万人の観光客を呼び込むことを期待している。

観光の見通しがさらに高まり、カンボジアは2023年第1四半期に129万人の海外からの観光客を受け入れ、709パーセント増加した。観光省の報告書によると、期間中に合計132,665人の中国人がこの国を訪れた。今年の上四半期わずかに期待目標の1割程度ということになるから、期待値通りになるのは、ちょっとほど遠い。

観光大臣も観光省も、ここ2年、希望的な観測気球を何度も打ち上げているが、外れっぱなしである。観光産業界も大方懲りたようで、かならずしも観光省の期待には添わず、慎重な姿勢はくずしていない。それは、新ホテルの開業状況を見ればよく解る。

「中国は世界にとって最も重要なアウトバウンド観光市場の一つであるため、中国のアウトバウンド観光再開はカンボジアだけでなく全世界にとって非常に有益だ」と観光大臣は最近の報告書で述べたというが、それは一般論であって、中国人観光客を期待するところもあれば、期待しないところもあり、特にコロナ禍以降、かえって中国観光客を期待しないところが増えた。また、中国国内でも経済が低迷しており、中国政府も内向きで、かならずしも国外観光を積極的に勧めていない。

カンボジア観光協会(CATA)は、今年はさらに多くの観光客を同国に呼び込むことに自信を持っている、と述べているが、状況はかつて日本で爆買いするような中国人富裕層をカンボジアでは当面期待できず、ベトナム人の次に中国人の大衆観光ツアーがコロナ前まで主流であった。

掲載写真:Khmer Times

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