プノンペン 3回目の市中感染発生 感染確認32名 内訳では中国人30名
ソカーホテル内の廊下、脱走した4人うちの1人

 2月20日市中感染事件(首相の名付け)

フン・セン首相は、昨夜の市中感染の発生について噂が多かったため、今朝の特別放送で「市中感染発生」の発表を行なった。発生場所は、現在(20日12時現在)のところ高級1等地のピッチ島(メコン・バンサック両川の合流点の中州を埋め立てた人口島、プノンペン都庁が位置する)や市内のサービスアパートメントと特定されている。わずか10時間で、32人の感染者が確認された。

昨夜のスカイライン・コンドミ二アムの前に停まった救急車 早速噂が広まった。khmer Times より

既にコロナ感染が噂としてと都内の一部にでていたことを受けてフンセン首相は閣僚との緊急会合を呼びかけた後にテレビを通じた特別放送で「市中感染の発生」を発表した。発表によれば、首相によると、昨日、海外に行く予定のプノンペンの中国人女性が新型コロナウイルス(COVID-19)の出国検査を受け、検査結果で「感染」を確認したことで接触者の追跡調査が行われ、事件が発覚した。

発端は中国人の検疫ホテルから脱走

地元メディアのKhmer Timesは「検疫中の中国人4人の男女が隔離場所のソカホテルを警備員を買収して脱走し、都内の数か所で過ごしたことにあると特定した」と報じており、ホテル内の廊下を歩く脱走者の写真も公開された。なお、警備員はその後尋問のために拘留された。

政府は、早速「感染者:中国人を差別するな」と注意

昨晩から今朝にかけて感染者確認中の32名中が30名中国国籍者、他はベトナム人1名、他国籍の1名であるが、感染源が検疫破りの中国人で感染者者の圧倒的多数が中国人であることから、政府はいち早く反中国人感情が高まること懸念している。そこで「政府は、すべてではないにしてもほとんどの発生場所を特定しているため、この市中感染の発生をかなり迅速に抑え込むことができると確信している。」とも述べている。

また、この市中感染発生の震源地であるとされているN8という娯楽施設(オリンピックスタジアム近く)は一時的に閉鎖された。

首相は「(現時点で)関連性のない学校や企業閉鎖措置は取らない」と言明

一方、フンセン首相はまた、他の州の人々と当局がプノンペンからのウイルスの拡散に注意するよう求めたが、「事件に関係のない学校や企業に閉鎖を命じたり、結婚式などの公的活動の禁止を命じたりしない」と述べている。

また首相は、今回で第3回目となる市中感染発生を「2月20日市中感染」と名付けた。

なお、2月20日午後1時時点で現在、地元メディア主要紙で今回の「市中感染」発生をKhmer Times以外、Phnom Penh Post やクメール語大衆紙ラスメイカンプチアは未だ報じていない。

*掲載写真:ソカホテルの廊下に写った中国人男性、直後にホテルから脱走。 画像:Khmer Times 掲載

 

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