約8億ドルの現金と資産を巡るマネーロンダリングに関与した疑いでシンガポールで逮捕された外国人10人のうち3人のカンボジア人が含まれていたという。
連絡を受けたカンボジア当局はカンボジア人の身分証明書(パスポート)を用いて彼らが中国人であるかどうかの確認を待っている。
カンボジア内務省は現在、シンガポール史上最大規模と思われるマネーロンダリング取り締まりで8月15日(火)に逮捕された3人の身元について、シンガポール警察からのさらなる情報を待っているという。
シンガポール警察、10人の外国人を起訴、さらに8人を指名手配で追跡中
シンガポールの報道機関CNAによると、マネーロンダリングと偽造犯罪の捜査の一環として警察がシンガポール全土で一斉捜索を行った後、8月16日(水)夜、キプロス人、トルコ人、中国人、カンボジア人、バヌアツ国籍などの10人が起訴された。
今回のシンガポール当局が実施した最大規模のマネーロンダリング対策捜査には、さまざまな部門から400人以上の警察官が関与したという大規模なものだった。同警察は8月9日(水)夜のニュースリリースで、マネーロンダリングと偽造犯罪への関与の疑いと逮捕での抵抗の疑いで、31歳から44歳までの男性9人と女性1人を逮捕したと発表した。逮捕者のうち1人は当局から逃げようとしてバンガローの2階のバルコニーから飛び降り、逃亡者が排水溝に隠れているのを発見したという。また、残りの12人は捜査に協力しており、さらに8人が警察に指名手配されている。同事件関連で合計30人に及んでいる。
捜査に関連して、不動産、車、銀行口座、現金、物品など約10億シンガポールドル(7億3,600万ドル)が押収、凍結されたり、処分禁止命令が出されたりした。
逮捕された10人のうち、中国国籍ではない者たちは、トルキスタンやドミニカ共和国、カンボジアを含む他国が発行したとみられる外国パスポートを所持していたことが判明した。
容疑者10人のうち、マネーロンダリング1件で起訴された蘇宝林(41歳)、陳清源(33歳)、孫文強(31歳)は、カンボジアのパスポートを所持しているため、シンガポール警察によって「カンボジア国民」とみなされている。
しかし、カンボジア当局は、その名前から3人が中国人であることを示唆していると考え、中国、カンボジアの二重国籍者とみている。
彼らは、ASEAN加盟国の国籍を取得すれば、ASEANビザなし協定を利用できるためにカンボジアのパスポートを入手したのではないかと疑っている。
カンボジア国家警察次長兼報道官:チャイ・キムクウン氏は国内メディアに対し、「シンガポールで逮捕された容疑者3人はカンボジアのパスポートを所持していたため、中国名であってもカンボジア国民であることは間違いない」と語った。
同報道官は、カンボジア警察はシンガポール当局から詳細情報を受け取った後、「彼らが偽造のカンボジアパスポートやIDカードを使用したかどうかを調べるために彼らの名前とパスポート番号を調査する」と述べている。
中国から国際指名手配されている中国人マフィアの何人かが、大物ぶって実業家の名でカンボジア国籍を取得しているとことは、国際的には周知の事実である。
掲載写真:シンガポール警察