「衰弱した河イルカ」を最後にストゥントレイン州の河イルカは絶滅す
ラオス国境に接するメコン川カンボジア領で1日発見された「衰弱した河イルカ」を確認した。すでにこの地域、河イルカがここ10年で急激に減り、昨年は1頭の河イルカが死にのこりつがいの片割れの1頭と見れれている。この衰弱した河イルカの死でラオス国境に接するメコン川地域では河イルカは絶滅する。残りは州都クラチェ市北郊外のカンピ村のメコン川河イルカ生息地のみである。
イルカは、2022年2月1日、ストゥントレン州ボレイオウスベイセンチェイ地区プレアランケル自治区アンロングコチュテアルのチュテアル島の近くで発見された。長さは2メートル以上と報告されており、衰弱状態にある。尾に引っかかった漁網は潰瘍を引き起こし、この珍しい哺乳類の肉体的および精神的苦痛が増している。
Preah RumkelイルカエコツーリズムコミュニティのメンバーであるPhoyVanna氏は、「このイルカは餌を捕まえられないために死ぬ可能性がある」と述べている。
彼は、この地域には現在イルカが1頭しか残っていないので、コミュニティはその命を救う方法を見つけるのを手伝うために漁業関係者に呼びかけるべきだと言いました。
Stung Treng州観光局長のUnPo Soeun氏は、この地域のイルカへの影響にかかわらず、イルカ保護峡谷近くのラオス側が保護に参加せず、危険な網漁業に従事したためにこれが起こったことを確認した。 。このイルカの事件について、関連する専門官と水産局に報告し、解決策を見つけて救助するために州知事にガイドラインを求めると同氏は付け加えた。
東南アジアで最大のメコン川は、カンボジア北東部で最後の生態学的に無傷で長さ180kmの区間があるが、この川の広がりは、残りの89頭のメコンイルカの最後の避難所で、世界中の35のWWF優先保護地域の1つです。
ここ10年で観光名所であった河イルカの生息、今や絶滅へカウントダウン
なお、筆者は7年前ほど、今回の衰弱した河イルカが確認された場所に赴いたことがある。メコン川が多くの支流に解かれ滝となっておちるカンボジア側の沿岸に河イルカを見学できる村おこしの公園がある。そこを州都ストゥントレイン市からメコン川を渡り、川沿いの道を遡ること1時間余、ようやく公園に着いたところ、ラオスからボートで河イルカが見られると来ていた欧米系女性、「もう2時間になるが全くイルカが見えない」と嘆いていた。既にその頃には村興し事業の目玉であった河イルが急減したのである。
掲載写真:確認された河イルカ 画像:Khmer Times