ライス・ワイン、素人の自家製どぶろくの類 事件で6人逮捕
既に本サイトで12月11日「コンポンチュナン州 ライス・ワイン中毒で7人死亡 124人が入院」の記事を掲載したが、死者は8人となっている。まず、このライス・ワインという聞きなれない酒だが、米にメタノール混ぜ沸騰させるというものでカンボジアの農村部で昔から手っ取り早く作れる自家製酒である。いわゆる祭日には宴会でこれを飲むが、毎年のように中毒事件を起こし、死者もでている。大きなケースでは、コンポンチュナン州の同事件は今年は全国で2件目になる。ライス・ワインと地元メディアは英文で伝えているが、日本人が語句から思い浮かべる果樹酒ではない、いわば「自家製どぶろく」の類である。それも質の悪いメタノールを混入すれば、中毒症状で死に到る。日本の戦後、メチルアルコールを入れた酒で事件になったことがあるが、同様に危い酒である。既に同事件では同酒生産、販売で警察によって6人が逮捕されている。
ライス・ワイン(米酒)517の生産者と1,115の販売業者が一時的に閉鎖
同中毒事件の発生を受けてコンポンチュナン州当局は14日、警察の取り締まりにより、11月28日から12月12日までの間に合計517の米酒生産者と1,115の米酒販売業者が一時的に閉鎖した、と発表した。
また、同州の警察副署長のブントアム Ea Bunthoeun准将は、Toek Phos地区で8人が酒を飲んで死亡した後、警察が取り締まりを開始したと述べた。同中毒事件関連で10人を拘束し、品質管理、製品、商品およびサービスの能力に関する法律の第18条および第63条、および刑法第207条に基づく「過失致死罪」で起訴された、と述べた。さらに警察は、ライスワイン532の容器3,895リットル相当を没収したという。警察副署長のブントアム氏は、専門家の検査によればそれらの酒のメタノール含有量が14.15パーセントと高く、5.1パーセントしか許可されていない、悪造酒であることが判明した、と述べている。
12月9日、モム・ブン・ヘン Mam Bun Heng保健相は、クラチエ、バンテアイメアンチェイ、モンドルキリ、カンポンチュナンの各州で最近中毒事件が発生した後、出所を知らずにライスワインを飲むときは注意するよう人々に指示を出している。「私はワイン生産者にお願いします、それを致命的な毒に変えるライスワインと混合するためにメタノールを使用しないでください」と述べている。
だが、カンボジアの事、指示や生産者と販売業者の一時的な閉鎖措置でこの種の中毒事件が根絶されるとは、思えない。
*参照:下記の文①をクリックしてください。
① コンポンチュナン州 ライス・ワイン中毒で7人死亡 124人が入院
*掲載画像:コンポンチュナン州 没収されたライス・ワイン 画像:Khmer Timesより