フン・セン首相は、カンボジアの既存の鉄道システムを高速鉄道に改善する可能性を研究するように公共事業運輸省に指示した。4月初旬にシェムリアップ州シェムリアップ市で38本の道路とその他の物理的インフラストラクチャーの開所式で述べたものである。
首相は、「既存の2つの鉄道路線は伝統的であり、時速30 kmで運行されており、輸送のニーズに対応できない」、「新しい鉄道は、物資の輸送と人々の動員を容易にし、近隣諸国の線路と線路を接続するために建設される」と述べている。
首相の指示に対し、公共事業運輸大臣:Sun Chantholが公共事業運輸省の青年代表団を率いて、2022年4月27日にシアヌークビル自治港を訪問中に、
「私たちは、鉄道をポイペトからプノンペン、プノンペンからシアヌークビル、そして港までの高速鉄道に変えることを研究しています」と彼は言いました。カンボジア政府は、既存の鉄道システムを高速鉄道にアップグレードし、国内で新しい鉄道路線を建設し、線路を近隣諸国に接続することを推進しています」
と述べている。
ちょっと今更の感のある首相の指示と公共事業運輸大臣の声明である。既に2020年大々的に喧伝されたポーサット=ポイペト=アランヤプラテート(タイ側の駅、ここからバンコクに鉄道がつながり、毎日運行されている)の鉄道再敷設と国境を越えた鉄橋も完成し、国境間の試運転も行われいている。すぐにでも国際鉄道が開通するかのような政府広報を盛んにKhmer Timesやテレビの盛んに報道されていてが、2週間ほどで消えた。中には「最高速度30㌔なんていう鉄道は役に立たない」という首相の発言と共に国際鉄道どころか、今やプノンペン=バッタンバンの1日1回相互運行がやっと状態で多くの人々にそっぽを向かれる鉄道となっている。これは、ポチェトン(プノンペン)空港と市内中央駅を結ぶ空港線も同様の姿である。思うに鉄道経営をオーストラリア企業に丸投げ運行といったカンボジア政府の体質そのものにあるのだろう。
また、単線路線で考えられない列車の正面衝突事故や客車の冷房機は家庭用という代物、開通当初はもの珍しさもあって外国人乗客を見たが、今や客はほとんどいない。こうした景観や経緯はJICA支援で鳴り物入りで始まったプノンペン市内公共バス運行と似ている。当時は、「日本支援で渋滞解消の切り札」なんていう文句を見出しにしたていた日本語メディアもその後体たらくについては口を閉ざしたままである。
首相は以前から鉄道に大きな期待を抱き、何度も指示をだしているが、そうした指示は鉄道に関する限り、ほぼ一度も実現していない。今回の指示がどうなるかは、形が見えて来ない限り、予測がつかない。
カンボジアには2つの鉄道路線があり、フランスの植民地時代に始まりまった。線路は、2010年にのみ鉄道貨物のサービスを再開する前に、修理および改修されました。その後、旅客サービスも始まったが、現状は上述の通りです。
掲載写真:イメージ 画像:Khmer Times