ベトナム航空、カンボジア、ベトナム、ラオス間の運航を再開

地域の観光産業にとって前向きな展開として、ベトナム航空は、ハノイ~ルアンパバーン~シェムリアップ線を7月1日に再開する、と発表した。同路線は新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより運休していたが、再開される予定は現在は3便になるという。

3 か国を結ぶ同フライトは月曜、水曜、金曜の週 3 便出発します。10月30日からは週5便に増便するというがこれも観光客数次第である。

「7月1日よりハノイ(ベトナム)-ルアンパバーン(ラオス)-シェムリアップ(カンボジア)線を再開します。当初の運航便数は月曜、水曜、金曜の週3便です。」 とベトナム航空の広報担当者は25日(木)にカンボジア国内メディアに知らせている。

既に同社はハノイ、ビエンチャン(ラオス)、プノンペン(カンボジア)、ホーチミン市(ベトナム)を結ぶ別のインドシナ路線でも週7便を運航している。

「当社は2000年に初めてシェムリアップ行きの航空便の運航を開始しました。2019年には、インドシナ横断ルートで40万人の乗客を輸送しました。ハノイ-ルアンパバーン-シェムリアップ、ハノイ-ビエンチャン-プノンペン-ホーチミン市へ」と同社広報担当者は付け加えた。

一方、カンボジア空港の幹部は、今年プノンペン空港への訪問者数が20%増加したいう。

カンボジアとベトナムは先月、シェムリアップとフーコック島間の直行便運航の可能性を検討することで合意していた。

ベトナム航空のシェムリアップ線再開は、プノンペン空港から帰国の弾みとなるが、直行便復帰は遠し

上記のニュースは、実は在住日本人にも帰国便の選択肢が増える弾みともなる。それと言うのも、記事の趣旨とは違い、日本へのプノンペンからの直行便運行は、観光客目当てでは小航空会社以外、採算制で利益がとれない。一時、ANAが月数度、2カ月間再開したが、それはあくまで日本の都合で技能研修生という名の問題の多いカンボジア出稼ぎ労働者の需要で、日本政府が何らかの会社の利益を補填し、座席も埋まることが確実だから再開したに過ぎない。在カンボジア日本人会が直行便再開を要望したが、会社の採算性計算では無理であろうとその当時、思われていた。

今回のベトナムナショナルキャリアのベトナム航空のシェムリアップ線の再開は、同社のプノンペン線の増便に繋がり、さらには日本からのビジネス客の呼び水になる可能性がある。そうなれば、コロナ禍以前のバンコク経由にホーチミン、ハノイ経由の帰国便の選択肢が増え、高値設定の航空運賃も健全な競争で下がる可能性がある。

さて、肝心の日本への直行便だが、上記のような動きが安定してはじめて可能性が出て来る。そして再開されても隔日便からであるのは、間違いない。在カンボジア人の希望的観測とは別にアンコール遺跡観光の魅力は既に日本では2010年頃から急速に衰え、日本企業にとってビジネス客もタイやべトナム+1になるか、ならないか程度の関心や位置づけである。早くから日本企業が進出し、人気のセブ島があるフィリピンだが、最近のフィリピン発犯罪や以前流行った日本のフィリピンパブだが、そのレベルでフィリピンの国造りは低迷し、タイやべトナムに追いつくことも難しい。ましてやカンボジアである。

甘い直行便復帰は遠いという観測である。商売に糠喜びは禁物である。

掲載写真:Khmer Times

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