フンセン首相のミャンマー訪問、その課題を明らかにする

2022年のASEAN議長国となったカンボジアのフンセン首相は1月7日のミャンマーを公式訪問に出発する前に、今回のミャンマー訪問の議題にいくつかの項目を明らかにした。特に暴力停止が議題となるとのことです。

5日朝、プノンペンの平和宮殿(閣僚評議会ビル)で開催された、2021年世界ペタンク選手権の金メダリストであるカンボジア国民ペタンクアスリートのOuk Sreymomに対する政府の授賞式を主宰のなかでの発言で、フンセン首相は訪問にあたって前提条件を設定しなかったが、「今回の訪問は2021年4月にカンボジアのジャカルタで承認された5つの合意からそう遠くはありません」と発表しました。これは手ぶらで帰ってくることもあり得ることを示唆しているとも受け取れます。

またフン・セン首相は、「1月7日の朝にミャンマーに向けて出発し、1月8日の午後に帰国すると述べたが、ミャンマーの危機に実りある結果があれば、帰国を遅らせることができる」とも述べている。

首相は、ミャンマー訪問の結果について早期の結論を出さないようにすべての人に呼びかけた。結果が実り多いものであれば、ミャンマーに平和をもたらす可能性があり、ミャンマーの人々はASEAN加盟国の努力を認めるだろうと述べている。

首相訪問の困難さ

ミャンマー国軍が30人以上殺害 戦闘からの避難民、女性や子供も (共同通信) 2021年12月28日付

だが、ミャンマー訪問での軍事政権とASEANの対話は困難が予想されている。訪問は軍事政権の「暴力停止」には及ばず、「内戦双方の暴力停止の原則同意に留まる」というのが大方の見方である。最大都市ヤンゴンでは、爆発事件や軍、警察の反軍部狩りが続いており、兵士たちの放火も見られる、また、反政府側ゲリラとの衝突後、付近の村では成人男子への拷問、女や子供までトラックに詰めて焼き殺すなど残忍な虐殺が全土の各地で起こっており、軍部も「テロリスト」を殺したという理由をあげ、「あり得ることだ」とその報道官が認めているという異常な状況である。ミャンマーからのこうしたニュースはその一部に過ぎない。

内戦中のミャンマー 各地の都市で軍の残虐行為が絶えない

フンセン首相はミャンマーの首都ネピドーを訪れる予定だが、この首都、軍事政権時代に造られた首都で当時から反政府感情の強い旧首都ヤンゴンを遠ざけたと言われ、軍事基地の守られた軍高官や邸宅の集まる地区には一般人は立ち入り禁止で、地区入口から幅100mの道路が西に走り、戦闘機の着陸さえ可能な規模である。だれが見てもいざという時の、軍部指導者たちの逃亡用滑走路と、建設当時から言われていた。軍部にとって唯一、安心できる計画都市である。

掲載写真:Khmer Timesより

 

おすすめの記事