続報:日本人ネット詐欺事件、他の手口も判明か 申請文書偽造や金融犯罪に

カンボジアの地元ネットメディアで報じた(Webサイト:PIN TVのニュース報道)に端を発したこの事件は、日本人がカンボジアを舞台に日本国内の邦人に対してのネット詐欺事件であることは昨日の報道の通りであるが、警察関係者から新たに判明した事実があるとのことです。

*下の記事の続報です。

そこで下記のような捜査情報を入取しましたのでお知らせします。

カンボジアでの日系企業を名乗ったネット客の取り込み

1.カンボジア国内に詐欺等の準備や手引をする在カンボジア日本人や日系企業名を表看板としている者が捜査対象となっている(ネット上のなりすまし業務:無許可、無資格業務の可能性を含む)。

詐称(ビザ)申請での私文書偽造やその幇助の手助けによる不法な査証取得

2.カンボジア国内在留に必要な査証(ビザ)申請書類を偽造及びその幇助を指南して詐称(ビザ)申請及び取得を行う代行業者の存在。丸2年になる世界的なコロナ禍(パンデミック)の現状で犯人グループは各国の厳しい出国及び入国規制の中をどのように自国を出国しカンボジアへ入国することが出来たのであろうか?またアジトとなるマンションの手配、秘匿性を高めたネット回線の用意、犯人たちの宿泊施設や滞在費用の準備を考えるとかなり組織である。これは陸路で越境できるタイ人やベトナム人と異なり、土地勘のない日本人の入国や密入国は難しいなかでの、誰かの手助けが必要不可欠であるため、それを好機としてネット広告で日本人を釣る手口です。騙しの手口に嵌(はま)る人は、ビザ切れの近い方や不法滞在者のビザ取得も含まれているようです。

一般の日本企業との関り、もしくは成り済ましによる金融犯罪

3.詐欺グループの暗躍は、表向きの職業で、「善良な日系企業との取引なかで外国間の資金送金も自らの業種として宣伝している」という。その実、その中身には仮想通貨や暗号資産と言われる非常に秘匿性が高い方法で資金移動を行っている。さらに詐欺グループはこの表企業を利用してカンボジアでの必要経費及び不当利得の犯罪収益を資金洗浄(マネーロンダリング)している可能性もある。

*上記の画像:日経新聞「資金洗浄」より これは例です。

以上の3つがオンライン詐欺の捜査線上に浮んできた、という。

当局は現在、立件を視野に解明を進めているという。

1について

これはあり得る話で、かつて日本のオンライン詐欺が日本国内の摘発を恐れて中国などに拠点を移していることは周知のこと、国内での取り締まり強化で中国や台湾マフィア等の詐欺グループが数年前からカンボジアに拠点を移し摘発されている。また昨年末には、タイ人をネット広告で高給を餌に密入国させて同胞のタイ人からの詐欺でお金を奪おうネット電話をかけさせた事件があった。密入国したタイ人労働者たちの家族からの情報がタイ当局に入り、カンボジア当局と協力してプノンペンで捜査にあたり、中国、タイ人組織関係者が人身売買と強制隔離労働の罪で逮捕され、数百人のタイ人が救出された。

したがって、日本人詐欺グループの暗躍がカンボジアにあっても、不思議ではない。また、それは単純なオンライン詐欺では終わらなくなった。

2と3について

これは、まずカンボジア国内在留に必要な査証(ビザ)申請のための書類を偽造して申請取得を行う代行業者が捜査線上に浮かんできたとのことである。コロナ禍により観光ビザが認められなくなりかなり厳しい条件の元、就労ビザで長期滞在の入国しなくてならない状況が続いている。

これをチャンスにと、ネット上にホームページを立ち上げ、堂々とビザ申請代行を業として行っている日系企業(以前からの大手日本の旅行会社ではない)を名乗り(なりすましサイト)、架空の雇用先企業を用意し全く雇用関係もない人たちの雇用証明書を偽造し申請してビザを取得していた可能性がある。普段は建設企業の技術者や飲食店の調理師の申請代行を行っているというのが、日系企業を名乗る表向きの業務だが、裏では偽造文書やその幇助を手伝っていたというから、驚きである。当然、偽の雇用証明を発行した日系企業関連も捜査当局となっているようだ。

3については金融犯罪

まさに日本だけでなく世界的な規模の問題となった現代的な詐欺や犯罪で得た、または企業が表に出したくないお金や不正取得のお金をネットの秘匿性を悪用した送金(課税逃れの闇銀行)という金融犯罪に発展する可能性があるという。それは仮想通貨や暗号資産と言われる非常に秘匿性が高い方法で資金移動すること、つまりはマネーロンダリングである。

ご存じのように、海外では認可や資格なく代行業や金融業の起業が簡単であるが、簡単なほどに詐欺を裏稼業とする悪質企業が雨後の筍のように生える。もちろん、その国とっては不法で犯罪捜査対象である。だが在住日本人の多くは、「そうであろう」と思う現状がある。海外旅行で空港で先ず親切そうに「ホテルはおきまりですか」「どちらを観光予定何ですか」なんて話かけて来る者は、先ずは怪しい。海外では現地人を騙せないから同胞の日本人を騙しやすいと待ち構えていることは、旅の常識になっている。

以上のように日本人グループのオンライン詐欺事件として地元ネットメディアのニュースとなった事件は、単なる詐欺事件で終わらない様相を示してきている。新たな情報がありましたなら<続報>としてお知らせいたします。

正月早々、日本人でも「悪い奴は眠らせない」事件になる予感があります。

掲載画像:Webサイト。

 

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