Khmer Times 保健省のコロナ感染死から除外した死亡例に疑問を呈する記事を掲載

突然、4月13日に地元メディア:Khmer Timesによって保健省の死亡者数に疑問がある、と言う報道がなされた。「保健省が検疫センターにいる間のこれらの人々の死はCOVID-19とは関係がない」と発表した前年の2人の死と3月の1人の死は大きな疑問符を残しているという記事を掲載した。

3人が死んだとき、いずれも全員検疫センターに隔離されていたが、政府は彼らがウイルス原因での致命的な合併症で死ななかった、とすぐに保健省は発表した。この時、保健当局は死亡の原因は、薬物使用が死因であると指摘した。

カンボジアでは新型コロナウイルス感染病(COVID-19)は、2020年1月23日にカンボジアで、中国の武漢から直行便で戻ってきたプレアシアヌーク州の60歳の男性が最初に記録されました。それ以来、カンボジアは、政府が2021年3月11日に最初のCOVID-19死亡者を発表するまで、王国で記録された「ゼロ死亡」について世界保健機関(WHO)やさまざまな組織および国から賞賛されてきたが、11日に警官であるラオ・ヴァンナ少佐が亡くなり、最初のコロナ感染死として発表された。それ以前の病院や検疫センターでの死について疑問がある、と同紙は述べる。

既に昨年7月22日、Tboung Khmum州Krouch Chhmar地区で検疫中の21歳の男性が死亡しているのが発見されました。同男性はスバイリエン地区の検疫センターとして指定されたPhoum Pram小学校の部屋に隔離されていたが、彼は熱が出て風邪を引いたので、親戚にセンターの外から薬を買うよう頼んだという。そのためTboung Khmum州保健局の局長:Keo Vannak氏は、彼が秘密裏に外部から薬物を入手したので、彼が死亡したのは薬物の過剰摂取であったかもしれない、と報告したという。「かもしれない」という言葉は、それが不確かであることをうたがわせる、とKhmer Timesは述べる

もう一人の死亡した患者は7月15日にマレーシアからタイを経由して来て、カンボジアのバンテイメンチェイ州のポイペト国境検問所に到着したときにCOVID-19の検査を受けた例せある。死亡者が7月15日にマレーシアから到着した後、直接国境に行ったのか、それとも国境に来る前に1日以上タイに滞在したのかは明らかになっていない。7月19日にCOVID-19検査が陰性に戻った後、男性はポイペトを離れることを許可されたという。それに対して、同紙は、「どうして保健省は彼が7月22日に死んだことを確信できたのでしょうか。誰が彼を見つけましたか?体はすでに解剖されていましたか?」という疑問を呈している。一方で、保健省は7月23日、死後検査の結果、患者は薬物の過剰摂取による心臓発作で死亡したと結論付けられたという声明を発表した。それについても同紙は「その時点では、まだ実験室の結果を待っていると言った。死後剖検が行われたかどうかの報告はありませんでした。」また、「保健当局がどのような検査結果についても明確に特定されていませんでした。」と疑問を上げている。

もう別の一人は、6か月後の2021年1月2日、男性の移民労働者が検疫中に死亡した例である。52歳の死亡者は、12月28日にタイからオッドーミアンチェイ州の国境を越えた後、検疫後、頭に傷を負って部屋のトイレで死んでいるのが発見されました。保健省によると実施された法医学検査は、彼が心臓発作を起こして床に倒れ、頭に傷を負ったことを示したという。彼が国境に到着したときにCOVID-19の検査を受けたが、結果はCovid-19は検出されれていないという。保健省は、死亡者の体に発見されたものに基づいて、彼が転倒したときに頭部外傷をもたらし心臓発作になったと結論を出した。この件について、同紙は「傷害や殺人の可能性はどうですか?誰が最初に彼を見つけましたか?本当に心臓発作でしたか?」という疑問を呈している。

3月4日、プノンペンの検疫センターで35歳の中国人男性が死亡したという衝撃的なニュースが発生した。保健省は再び、患者が薬物の過剰摂取で死亡し、COVID-19が原因ではなく心臓発作を引き起こしたという声明を発表しました。

その後、3月1日から検疫センターにいたとき、どうして薬物の過剰摂取になるのかという憶測が飛び交いました。いくつかのソーシャルメディアユーザーは、次のような質問を投稿しました。誰が患者に薬を提供しましたか?誰かが彼の食べ物に薬を入れましたか?

彼の死の前に、いくつかのビデオがインターネット上で投稿されていて、カンボジアのアルコール飲料と何人かの女性たちに囲まれたパーティー参加者が確認されている。

その後、保健省は、患者を死亡した原因は違法薬物であると述べた別の声明を発表した。しかし、再び、3月1日からすでに検疫センターにいたときに、違法薬物の過剰摂取によって彼がどのように死亡したという疑問が生じました。実際、検疫施設は保護地域であると考えられている、同紙は指摘する。

保健当局は、彼が心臓発作を起こすまでストレスや病気を悪化する因子が原因となった離脱状態(禁断症状・精神的症状)にあるという経過観察で分かったと回答した。保健省・国務長官:ユーク・サンバス氏は、死亡した中国人はCOVID-19患者であったが、症状や病気はなかったと述べた。彼は、COVID-19に関連する可能性のある息切れ、窒息、発熱、および酸素不足を発病していませんでした。「剖検では彼がアンフェタミンを持っていたことを示しました」と同氏は語った。

これについても同紙は、「彼に毒性検査が実施されましたか?」「検疫医療従事者が毎日内部の人々をチェックしていると仮定すると、彼が薬物離脱を経験しているのに、なぜ医療従事者は彼に何か問題があることに気づかなかったのでしょうか。」という疑問を呈している。死亡した患者は、COVID-19患者が治療されている病院ではなく、検疫施設で隔離されていました。

彼の死から6日後、シアヌークビル警察は、シアヌークビル州の検疫センターに麻薬を密輸したとされる中国人3名とベトナム人1名の逮捕を発表した。

3月14日、警察は、シアヌーク州の検疫センターに麻薬を密輸しようとしたとして、中国人とベトナム人の2人の女性を逮捕した。

州の麻薬取締局の役員であるKongRatana少佐は、中国人をシアヌークビルの中国系のカジノで働いているWang ShiShi(25歳)と特定した。

*下記の投稿記事をご参照ください。

検疫センターでの麻薬に関するこれらの逮捕で、問題が浮上した

Khmer Times紙は、検疫下の人々がビールやその他のアルコール飲料を自由に飲んでいる検疫センターのセキュリティが緩んでいるという報告もいくつも聞き及んでいたという。昨年、家族と一緒に検疫を受けていた女性(匿名である)が、カンボジア人、ベトナム人、中国人が同時に検疫を受けている様子や、施設内で簡単にアルコール飲料を飲んでいる事を語ったという。具体的には「検疫ホテルに配達物が届き続けるのを見てきました。ビールの箱が中に持ち込まれているのが見えました。最悪なの廊下で宴会を開いていた時でした。私たちの部屋は彼らのすぐ隣にあり、部屋には最大2人までのスペースしかなかったので、彼らは廊下に集まり、飲んだり、笑ったり、大声で話していたので、部屋には声が届き、ストレスで眠ることができなかった。」と彼女は語ったという。

Khmer Timesの保健省批判とも読める記事の掲載に不審がある

以前から、検疫センターの規律のゆるみや薬物過剰接種での新型コロナ感染患者の中国人の死は検疫隔離センターの実態として多くの人が不審を持って見ていたことは周知の事実であるが、政府からの公認情報を一手に引き受けているKhmer Timesが上記のような記事を、この時期に、敢えて記事として公開するのは率直に言って怪訝なことである。この記事は、死亡原因に疑問がある例をあげているが、それは明らかに保健所の発表に疑問ないし公然たる保健省批判となることは明らかである。いったいどういう意図でこのような記事が掲載されたのかが不審である。

*掲載写真:3月4日、薬物過剰接種の死と発表された中国人のいたプノンペン検疫センター
画像:Khmer Timesより
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