タイ暫定政権(総選挙で敗れたプラユット政権、新たな野党主導の新政権が成立するまでの期間は、プラユット政権が暫定政権として続く)政権は18日(日)、非公式地域和平協議にミャンマー与党軍事政権の外相を迎える予定だったが、東南アジアの主要諸国はこの会合に出席しない姿勢を示し、今のところ、出席すると答えたのはカンボジアのみ、という状態である。
これまでのところカンボジアだけが、予定されている協議に参加する意向を正式に認めている。
ミャンマーの将軍らは、「現在、投獄されているノーベル賞受賞者のアウン・サン・スー・チー氏が率いていた文民政府に関連する敵対勢力との協議開始の合意を遵守しなかった」として、東南アジア諸国連合(ASEAN)の高官級会合からほぼ2年間参加を禁じられている。
しかし、軍事クーデターで政権を奪ったプラユット首相自身が政権を運営するタイは、ASEAN10カ国ブロックの他の外相とともに、軍事政権が任命したミャンマーのタン・スウェ外相を会談に招待したという。
タイ外務省は、リゾート地パタヤで急遽開催された2日間の会合については発表しておらず、辞任が決まっているドン・プラムドウィナイ外務大臣は、開催予定の開始4日前に招待状を送ったという。なお外務省のナタパヌ・ノパクン副報道官は日曜朝、会談に関する「情報はない」と述べた。
軍事政権の衣替えで居座ったプラユット政権は選挙で敗北し、暫定政権のどさくさに紛れてミャンマー軍事政権に擦り寄る姿勢を内外から厳しく批判されている。批判する人々や周辺国は、これはミャンマーの軍事政権を正当化する危険性があり、「5項目合意」として知られるASEANの公式和平構想の外にあるため不適切な会合だと述べている。タイで5月16日の総選挙で現・親軍連立政権が野党に大敗した後、8月に新政権が誕生すると予想されているにもかかわらず、なぜ今タイが協議を呼び掛けたのか疑問を呈する人や国々が多い。一方、カンボジア政府は16日(金)の声明で、プラク・ソコン外相が会議に出席すると発表した。蓋を開けてみて、出席のカンボジアも困惑したことだろう。
今年の議長国であるインドネシアを含む他のASEAN主要諸国もタイの招待を拒否しているほか、シンガポールのビビアン・バラクリシュナン外相は金曜日、「首脳レベルで、あるいは大臣レベル外国首脳レベルで軍事政権と再び関与するのは時期尚早だろう」と述べた。
ベトナム政府は、外相は「先約のため」と体よく欠席を表明している。
やがて消えるタイのプラユット政権だが、結果的にタイの暫定政権のミャンマー軍事政権寄りが鮮明になり、国際的に孤立するミャンマーに対してカンボジアはどのような姿勢を示すかの一端が現れた形になった。
掲載写真:タイ・ドン・プラムドウィナイ外務大臣 Khmer Times