農業省がカンボジアで3万頭以上の牛の疫病【ランピースキン病(LSD)】に対し予防接種を行うキャンペーンを開始した。
既にご存じの方も多いが、カンボジアではここ何ヶ月も、奇妙な病気が牛に蔓延している。それは明瞭な皮膚腫瘍が見られる病気である。これは、ランピースキン病(LSD)の肥満細胞腫というものである。肉眼検査のみで本症例と皮膚型牛白血病を鑑別することは困難であるという。
ランピースキン病 (Lumpy skin disease)
届出伝染病: 牛、水牛。動物衛生研究所 「家畜の監視伝染病」病原体:LSD ウイルスは、ポックスウイルス科コルドウイルス亜科に分類され、野生反芻動物を自然宿主とする羊痘瘡ウイルスに近縁のウイルス(血清学的に区別できないが、緬山羊痘瘡の分布と一致しない)。培養では細胞質内封入体(CPE)がみられる。疫学: 1929 年にザンビアで発見された牛の急性あるいは亜急性の伝染病で、現在はアフリカ大陸のほとんどの地域に発生がある。伝搬には節足動物の媒介が示唆されているが、流行地では感染牛の唾液 または 唾液で汚染された飼料や飲水による接触感染も起こっている。本症の罹患率は南アフリカでは 50 %から 100 %で、死亡率は通常 1 %であるが、時に 75 %になることもある。河川の流域や低地での発生が多く、季節的には多湿夏期に多い。臨床症状: 潜伏期は実験感染例では 7 日から 14 日であるが、自然感染例は 2 週間から 5 週間以上である。発熱は特徴的な 2 相性で、皮膚病変は 2 回目の発熱時(初回発熱後の 1 週間から 10 日目ごろ) に発現する。2 回目の発熱では食欲不振、流涎、流涙、鼻汁とともに、全身、とくに頚部、背側、脚部、外陰部などに数個~数百個の結節が観察される。その他、泌乳量の減少や浮腫などが認められる。ーhttps://slidesplayer.net/slide/17669985/よりー
農業省は、過去に皮膚腫瘍に感染した牛の監視と治療に加えて、牛の皮膚腫瘍を予防するためのワクチンの購入を模索する努力も行っていると述べた。
この疫病流行はタイ国境地域からカンボジアの中央低地、特に病気が蔓延しているトボンクムン州、コンポンチャム州、プレイベン州に急速に広がっている。
30,000頭以上の牛、特に子牛が疫病に罹り、一部の牛が死亡し、省に大きな懸念となっていた。
農業省によれば、「週末の良いニュースは、農林水産省と動物衛生動物生産総局が20,000個のワクチンを受け取ったことです。」「これにより、他の州への病気の蔓延を抑えるために牛に予防接種を行うことができる環境が生まれました。」と同省報道官は述べている。
農業省動物生産・畜産総局は、8月28日にトボンクムン州でワクチン接種キャンペーンを開始したという。
画像:Khmer Timesより