カンボジアの南西部を広い範囲で占めるカルダモン山系で初のカメラトラップ調査が行われ、108種の野生生物(絶滅危惧種を含む)が記録されたと、10月30日(水)の国営「ワイルド・ライフ・カンボジア」のプレスリリースで発表された。
上記の108種のうち23種は、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種、危急種、またはそれ以上の危急種として記載されており、この地域が生物多様性と希少種および絶滅危惧種の一大な生息地としての改めて重要性が確認された。
同組織の報告書によると、今回の調査研究では、カンボジアに残る最後の捕食動物の一つで絶滅危惧種のドールや、イノシシやキョンなどその豊富な獲物を含む65種の鳥類、38種の哺乳類、5種の爬虫類が記録されている。また、この調査研究では、アジアゾウ、ウンピョウ、マーブルキャット、アジアゴールデンキャット、マレーグマ、ツキノワグマなど、他の希少種や見つけにくい種も発見されたと付け加えた。
中央カルダモン山系地域の森林の95パーセント以上が未だ手つかずのままであり、カンボジアで最も森林破壊が少ない地域の一つでもある。同山系は世界に200ある生態地域の1つとして認められている。同地域には、チョン族とポー族の先住民族約4,000人と500種を超える生物が生息していると報告書は付け加えている。
環境大臣エアン・ソファレット氏は、調査結果によりカンボジアの森林は単なる景観ではなく、地球上の多様な種にとって重要な聖域であることが再確認されたと述べた。
掲載写真:ワイルド・ライフ・カンボジアの提供