昨晩(22日)、2月20日市中感染事件に関するフンセン首相の演説(音声スピーチ)が流さると予告もあって地元メディアは俄然活発化した。主要紙では政府の公式見解を一手に引き受けている感のあるKhmer Timesは、昨晩9時過ぎにいち早く確定情報として「20日事件関連で感染者は100人を超える」と報道したが、23日の朝では感染者99人と報じている。いずれにせよフンセン首相の国民向け演説に合わせた政府側の報道リークがあったようだ。事実、同時刻に地元群小メディアがそれぞれの公式facebookで演説テープを流している。昨晩のフンセン首相の演説や地元メディアの報道内容を見る限り、政府にとっても予想以上の感染増・拡大に危機感が高まっている状況が透けて見えてくる。
22日朝の段階は感染者累計78人であったが、保健省の発表によれば、市中で感染した23件の症例では、20歳から44歳までの中国人20人、カンボジア人2人、ベトナム人1人が含まれている。「これでは数が合わないではないか」となるが、これまでの報道から、23日朝の確定感染者は累計99人、つまり新規感染者の確認は21人になるが、依然中国人の感染者数が多いが、地元の感染者が増加している状況ととられたほうがいい。
事実、22日の昼の段階で夜遊び場であるオリンピックスタジアムの南近くのN8ナイトクラブの男性従業員が感染が確認しており、従業員の妻がSIS学校のレスランランの従業員、その子弟がSISに通学しており、感染者の妻、その子ども、さらにその子同級生が新型コロナ検査を受けた、という情報が入ってきている。この一例からも、中国人コミュニテイー感染だったものが娯楽施設通じて地域社会に感染が広がっているのではないか、という懸念が強まっている。フンセン首相の演説でも今回の市中感染は深刻な状況にあるという認識を示している。
*プノンペンのピット島に通ずる道では警察官が立哨して検問 画像:Khmer Times