政府 リアム海軍基地での中国軍の存在に関するWSJ報道を非難

政府は、米国メディアの【ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)】が7月1日(月)に掲載した「カンボジアは中国海軍基地の受け入れを否定、だが2隻の船が疑惑を呼ぶ」という記事を激しく反論、非難した。

カンボジア国務長官兼国防省の報道官:チュム・スシート将軍は3日(水)、「カンボジア海軍がリアム海軍基地にカンボジアと中国の海軍艦艇用の区画を設けているというウォール・ストリート・ジャーナルの報道を否定する」と述べた。

「この報道は意図的に誤解を招くものであり、事実無根だ。カンボジア海軍のリアム(レアム)海軍基地は継続的に開発されており、建設中の一部の地域(基地)は出入りが禁止されており、これは王国の法律では軍事機密となっている」と彼は述べている。

この発言は、米国のメディア紙が7月1日(月)、昨年12月以来ほぼ継続的にリアム海軍基地に停泊している人民解放軍海軍(PLAN)のコルベット艦2隻に言及した記事を掲載した後になされたものである。

同報道官は、「リアム海軍基地に停泊している中国人民解放軍海軍の艦艇は、カンボジアと中国の防衛省間の合意に基づく中国海軍艦艇との最近の交代の一環としてつい最近到着したばかりだ」と述べた。

この協定はカンボジア海軍に軍艦の使用に関する技術訓練と演習を提供するものであり、「中国人民解放軍海軍の軍艦が半年以上も同基地に停泊していると報じているウォール・ストリート・ジャーナル紙の主張とは異なる」と述べた。

同米国メディア(WSJ)は、「タイ湾沿岸のリアム近隣の村に住むカンボジア人住民が、近くの海軍基地で行われている大規模な拡張工事や、そこに停泊している2隻の中国軍艦の存在について話さないように警告されたと述べ、基地を見下ろす仏教寺院が点在する樹木が生い茂った丘の頂上に急いで到着した治安部隊は、訪問者に写真を撮らないように命じた」と具体例を挙げて主張している。「12月に到着したこの基地の400メートル近い桟橋に停泊している中国人民解放軍海軍のコルベット艦は、村の主要道路から見えるので見逃すことは難しい。当初、カンボジア軍はこれらの艦艇は訓練を支援するために来ていると述べた」と同紙は報じている。さらに「半年以上経ったが、軍艦はまだそこに留まっており、ワシントンの多くの人々にとって、台湾や南シナ海をめぐる紛争で重要な役割を果たすことになる水路に中国軍が恒久的なプレゼンスを確立した証拠となっている」と報告書は述べいると報じた。

しかし、フン・マネト首相とフン・セン前首相率いる政府は、カンボジア領土内の外国軍基地に関する疑惑を繰り返し否定している。カンボジアは、そのような施設は必要なく、憲法違反にもなるため、自国領土内に外国の軍事基地を設置することを禁じている。

*参考:カンボジア内戦後の和平は国連指導下で行われており、その際にいずれの陣営にも属さないことが和平の基本条件であった。

4月にフン・セン首相は「なぜカンボジアは中国軍を必要とするのか?そして何のために?カンボジアは憲法違反である中国軍を国内に派遣するほど愚かなのか?そして中国はカンボジアに軍隊を派遣するのか?それはカンボジアの独立尊重の原則に反する」と米国などの懸念に反論した。フン・マネ首相はまた、「我々はいかなる国もカンボジア領土に軍事基地を設置することを許さない。第二に、我が国が地域のいかなる国に対する基地として利用されることを許さない」と述べている。

カンボジアでは5月、カンボジア海軍と中国海軍が情報と経験の交換、技術と訓練の開発、新技術の試験と共有を目的とした合同演習「ゴールデンドラゴン2024」を実施した。陸軍の演習は15日間、海軍の演習は12日間にわたって行われた。演習にはカンボジア軍2,000人以上、中国軍760人以上が参加し、軍艦14隻、ヘリコプター、ロボット犬、装甲車などさまざまな軍事装備が使用された。

さらに隣国ベトナムではカンボジアが8月5日に起工するフナンテチョ運河プロジェクトが中国の資金と技術によってお紺われることから、同運河プロジェクトが中国海軍の進出に利用される懸念が話題となった。これはベトナム政府の要請は運河プロジェクトの情報公開の透明性要請であったが、ベトナム政府に近い立場の者の懸念表明のメディア掲載は同政府の意向を受けたものとカンボジア政府は受け取っている。

掲載写真:カンボジア軍の提供 Khmer Times掲載

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