首相、「債務の罠」に陥らないー公的債務は限度内にあるー

フン・マネ首相は公的債務に関する国民の懸念に対し、それが管理不可能なレベルにまでエスカレートしたり、「債務の罠」に陥ったりしないことを保証した。同首相は、カンボジアの対外融資は国の発展に活用されていると説明している。

首相は、11月2日にタクマオ市で約2万人の工場労働者を前にマネ氏は、海外からの借入に対する政府のアプローチに批評家が<債務の罠>に懸念を抱いていることを指摘し、「その傾向は前任のフン・セン元首相の在任時代に遡る傾向にある」と述べた。

「カンボジアは資力を超えて借金することはありません。私たちが借金するのは高級車や飛行機を購入するためではなく、経済を強化するためです。これらの融資は我々の集団的利益にかなうものであり、いかなる国に対しても我々の主権を失うことにはならない」と述べた。

同首相は、対外債務が投資に必要な手段となっている例として日本、米国、フランスを挙げ、対外債務を負うことは世界的に日常的であることを強調した。首相は、橋や道路の建設に見られるように、経済成長促進を目的とした重要なインフラプロジェクトのために外国資金を借入する政府のアプローチも例外ではないと指摘した。

首相の演説、こうした展開を見逃し、国家主権を危険にさらしているとして対外融資、特に「中国からの融資について政府を非難し続ける人々」を意識して、こたえたものである。そこでは、日本、米国、フランスを対外債務が投資の手段となっていると例を挙げているが、批判者が述べる肝心の中国から債務については触れていない。

「債務の罠」とは、身近な東南アジアの国ではスリランカの経済破綻と中国への港湾使用の譲渡、次はラオスだ、という声がある。今一つパットしない中国からの高速鉄道建設・運行などの例がある。

IMF 民間債務の過剰に懸念

国際通貨基金(IMF)は、10月18日から31日までカンボジアを訪問した後の10月31日の声明で、カンボジアの公的債務は依然として適度であり、債務危機のリスクは低いと報告しているが、それにもかかわらず、カンボジア政府は民間債務にもっと注意を払うべきだと示唆した。

プノンペン都心部の高層ビルがカンボジアの発展する姿と喧伝されているが、夕方から照明を必要とする時間帯になると、照明がちらほらの高層ビルがあまりに多い、中国のように不動産バブルの崩壊がカンボジアに及ぶのではないか、という疑問が生ずるのは国際通貨基金(IMF)だけではないだろう。

掲載写真:11月2日のタクマウ市の集会で首相演説 Phnom Penh Post

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