フン・セン首相、38年超の国政担当を退任、次期首相は子息フン・マネ氏に

7月26日(水)現職のフン・セン首相は、ノロドム・シハモニ国王に説明した後、昨日、38年以上首相として政権を握っていた地位を来月退き、長男のフン・マネ氏が新政府を率いる道を整えると発表した。既に何度か話題になり、つい先日、中国メディアに語っていた首相の退陣と次期首相をフン・マネ氏が引き継ぐと語っていたが、昨日(26日)、公式に首相を退任することを国民に発表し、その手続きに入った。

シハモニ国王は26日朝、王宮でフン・セン首相との謁見を認め、首相より23日(日)の国政選挙で与党カンボジア人民党(CPP)が第1党として国政を担うという国内の最新の政治情勢について国王に報告した。 

その後、26日午後に国民向けの演説で、フン・セン氏は新政権が発足した1985年以来(但し、1985~91年はヘンサムリン政権であった)40年近く政権を握ってきたが、8月に首相を退任すると発表した。

「党の常任委員会が下した決定と、私が国王と話し合った内容に基づき、私は国民の理解を求め、首相に立候補を表明したにもかかわらず、首相を続投しないことを発表します」と語った。

左:現暫定首相フン・セン氏、右:次期首相:フンマネ氏 Khmer Times

今年1月にプノンペンで開催された「全国総会」として知られるCPPの2日間の臨時大会で、党は首相候補としてのフン・セン氏と将来の首相候補としてのフン・マネ氏への全面的な支持を表明していた。

フン・セン氏、首相退任後に人民党の党首として国政に関わる

フン・セン首相は、次期の首相職は続投しないものの、政権党で圧倒的多数を占める(まだ、選挙結果の正式発表は出ていない、暫定数値である)カンボジア人民党の党首として国に関わる政治家であり続けると述べた。

7月26日午後、国民に向けての演説の中で、フン・セン首相は、「(退陣後も)私は今も与党党首として国をリードし続ける政治家であり、過渡期にある国会議員として国民と歩調を合わせて取り組んでいることを改めて確認したい」「私は国王の最高評議会の議長ですが、この役職に権限はありませんが、私は国王と協力し、王宮と王政府の間の調整を手伝います。」と述べ、政治的意欲は全く衰えておらず、今後の政局に指導権を持つ位置に留まることを表明している。

首相退陣後、4人の政府高官が国王最高評議会に構成すると発表

フン・セン首相は、2023年7月26日午後に生放送された特別メッセージの中で、首相の職を退いた後、国王から国王の最高評議会に就任するよう命じられたと発表した。

退陣後の首相は、ヘン・サムリン氏、サー・ケン氏、ティー・バン氏、メン・サム・アン氏など、他の多くの上級指導者も国王最高評議会のメンバーになることを確認した。

首相はさらに、「8月22日朝にはカンボジア首相ではなくなり、夕方にはフン・マネ氏が正式に首相に就任する」と述べた。この国王最高評議会に参加するヘン・サムリン氏(前首相、現下院議長、人民党名誉党首)やサー・ケン氏(副首相、内務大臣)などが加わることや、また新首相が組織する新内閣から首相が以前高齢を理由に退陣を考えている(より若い世代に政治を委ねる)と意向を示していた故に、2人の高官も新政権で要職から交代する(外される)可能性もでてきた。

フン・マネ氏が8月22日に新首相に就任

既に26日、フン・セン暫定首相は、カンボジア首相を続投せず、彼の長男であるフン・マネ氏が8月22日以降新首相に就任することを正式に確認し、「フン・マネ氏は、2023年8月22日夕方からカンボジア王国首相としての職務を開始する」と首相は、今日午後カンボジア国営テレビ(TVK)で放映された特別声明の中で述べた。

未だ未知数であるフン・マネ氏の政治手腕、当面フン・セン氏が後見者としてその政治力を発揮して支えることはほぼ規定路線である。この間のフン・セン首相の公表した演説を読むに、周到な準備をしてきたことがわかる。

なお、日本国内のメディアは昨日から今日にかけて次のような見出しを掲げて、カンボジア総選挙後のカンボジア政局を伝えています。

下掲載は、Google ニュースの「カンボジア」関連ニュースです(7月27日正午)、ご参照ください。 

掲載写真:Khmer Times等、カンボジア国内メディア

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