経済警察幹部が7月2日(日)、関税を支払わずにベトナムから商品を密輸した実業家とその運転手を逮捕するのを脅迫して摘発阻止するため、税関職員に5発発砲した疑いの同幹部(副署長)を逮捕、タケオ州裁判所に起訴された。
タケオ州刑事局次長:ヘン・サロム氏は、発砲容疑者がタケオ州経済警察署副署長でボレイ・チュルサ地区在住のノブ・サンボール中佐(45歳)と特定した。
サロム署長によると、被告は刑法第231条、第506条、第490条に基づく「脅迫、公共事業妨害、武器の無許可所持」の3つの罪で起訴された。
有罪判決が下された場合、被告には6か月から3年の懲役刑が言い渡される。
サロム中佐は4日、容疑者サンボールはタケオ州警察に勤務し、タケオ州キリヴォン地区のカンボジア・ベトナム国境検問所を拠点とする経済警察官だったと述べた。
地元当局の報告書によると、サンバー中佐は常に警察の影響力を利用して、商品の貿易業者が賄賂を受け取って関税の支払いを回避できるよう支援していたという。
同氏は、土曜日の午後8時40分頃、トレイン地区のチクナールコミューンでカンボジアへの密輸品を運ぶ車を5人の税関職員が止めたと指摘した。
警官らは2人を拘束し、尋問を始めたという。
要は、腐敗で密輸実業家に篭絡(ろうらく)された警察幹部ということで、まさに警察組織の腐敗の氷山の一角が露出したに過ぎない事件である。または、篭絡されたというより、密輸業が本業でその一方で密輸を容易にするために経済警察の副署長になったのかもしれない。カンボジアではごく普通のことであるから、密輸は終わらない。
国際刑事警察に本国から手配されているにも関わらず、政府高官、上院議員や州幹部と結託してカンボジア国籍を取得した中国マフィアのボスが堂々とメディアに登場するのがカンボジアである。従って掲載写真に載る人物は悪(わる)でも小物ということになる。
掲載写真:逮捕された副署長と密輸の車 Khmer Times