プノンペン カルメット病院にポリテクニックセンタービル落成

プノンペンのカルメット病院に新しく建設されたポリテクニックセンタービルが今朝、フン・セン首相夫妻の出席を迎え、落成式が行われ、正式な使用が開始された。

ハイテク医療機器を備えた7,000万米ドル以上の新しい建物は、「Techo Aphivadh」(Techo Development)と名付けられました。

この機会に講演したフン・セン首相は、国の保健分野の進歩に感謝の意を表明し、医療従事者に対し職業倫理と能力開発を強化するよう改めて訴えた。また、保健大臣のマム・ブンヘン氏によると、プレア・モニボン大通り沿いに広がる「テチョ・アフィヴァド」ビルは長さ153メートル、幅22.5メートルの大きさのビル棟であるという。ベッド数 426 の建物は合計 12 階建てで、2 階の地下駐車場があります。

この建物は、「人の命のために寄付を」というスローガンの下、王立政府、首相と夫人、慈善団体からの資金援助を受けて2018年3月5日に建設が開始されたもので、保健省にとっても一つの大きな成果である。

カンボジアの<健康ビジョン2030>の実現、すなわち「安全で健康なカンボジアを保証する医療システムの回復力と世界的な医療範囲の達成」に向けて、カルメット病院での連携を進めるという。

同大臣は、「Techo Aphivadh」ビルは年間約25万人の患者に医療サービスを提供できると述べ、学生が国内の最先端のデジタルシステムを通じて医学の勉強や研究を行うためのトレーニングセンターにもなると付け加えた。

こうした病院の建設が、新規の国立病院計画もあり、カンボジアの医療水準が向上することは社会資本の増加として歓迎されるべきことだが、医療水準の低さで、大事な懸念が解消された訳ではない。

ハードにふさわしいソフト(医者や看護士、職員)が確保されるか、懸念がある

医療の基本的な面での懸念がある。

① ハードに見合うソフト面である。ハイテク医療機器に見合う人材が育っているか、確保できるのか。

現に毎年の医科大学の卒業時期に見らる卒業見込みのない低学力の学生のゴネ得のような卒業。この問題は、保健省が文科省と協力して「見て見ぬふりをしない」強力な介入による早急な是正が必要である。富裕層の馬鹿息子の医者なんて喜劇に近い。こうしたことは、「さすがに酷い」とKhmer Timesで毎年のように記事と報じている。

② 医者、看護師の質。特にカンボジア医科大学の水準とカンボジア社会のコネ就職での医療面で信頼を欠く医師や看護士の問題である。

病院は英語でhospitalだが、ホスピタリティ―のない医者や看護士、職員が医療費の安価な病院ほど多い。

例えば外国機関が支援する児童向けの小児科のクンタ・ボッタ病院だが、医療費がタダで多くの患者を抱えた家族が毎日押しかけている。プノンペンの人というより、田舎から出て来る人が多い。彼等は本音で何と思っているか、ここ20年同じことを言っている。

お金と知識があれば、行きたくない」と。なぜなのか?「医者や職員の態度や言葉遣いが酷い」、さすがの田舎のカンボジア人も腹に据えかねる屈辱的な気持ちを持つが、診断無料と言う患者の立場で我慢している。病院の管理者や支援機関にお金を出している外国の人々は知っているのであろうか。美辞麗句を並べたパンフレットに騙されていないか、とさえ思っている。そんな思いをしてまでなぜ行くの?「態度や言葉遣いは悪いが、紹介してくれる薬がいい薬だから」と答える。

プノンペンの人々は、よい病院、よい薬は口コミに頼る

田舎の無知な人々は、日々、中国、ベトナムなどで売れ残った薬をクメール店舗で掴ませられるからである。道沿いの小さな薬局にはこの類が多い。プノンペンの人々は口コミで評判の良い店を選んで薬を購入し、不愉快で横柄な公立やNGOの病院よりは、評判の良い私立病院を選ぶ、これが現実である。

プノンペンに富裕層向けの外国資本の病院が次々とできるのは、そういったカンボジアの医療水準、特にハード面以上にソフト面の深刻な低レベルの隙に乗じて進出しているのである。

漢字看板を掲げる私立医院も事実は、本国での医者のライセンスがない者が医療に従事していることが在住中国人には常識である、と彼等は証言している。また、看護師が白衣を着ているが、国家ライセンスを所持しているのか、それとも元々そうした制度がないのか、寡聞にして解らない。

クメール私立病院となると、救急車の恐喝まがいの事件や事故現場の負傷者の奪い合い、患者を載せてもいないのにサイレンを鳴らして、信号無視をしている車もある。そしてここ20年、カンボジア人が重病だと、ベトナムにあるカンボジア語が通じる病院へ向かい、富裕層はタイの病院に向かうというお寒い現状である。こうした現状は、国民の医療を保障し、命を守る保健省の責任であり、その強力なリーダーシップを望みたい。

カンボジア人も外国人も、同胞(外国人ならカンボジア人)を見くびってはいけない。

掲載病院:Khmer Times

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