農家が4月5日、スバイリエン州副警察署長によって昨年、農家の 2 人の子供の警察官としての職を確保する代わりに、同農家から 30,000 ドル以上をだまし取ったとして、サー・ケン内務大臣宛てに苦情を申し立てました。
告発者はスバイリエン州スバイチュルム地区スバイチュルム自治区に住む農民:チャン・ケマラク(44歳)である。昨年9月12日にスバイリエン州警察の副署長:ケオ・ピーク氏(58)が同農家に就職話を持ち出し、大学在学中の娘と息子は、国家警察の枠内で警察官として働くことを2人の子供に勧めたという。ケマラク氏は、娘コン マリーナ(24 歳)、息子はコン ソファンハ(22 歳)の2人であるという。
同州副警察署長:コル・ピークは、警察の仕事を確保するために、告発者に43,000ドルを支払うよう要求し、支払いを受け取ってから1か月以内に彼の2人の子供が仕事を得ると約束した、という。
告発者は、同副署長:コル・ピークが仕事を確保するために前払いで36,000ドルを支払った後、残りの金額が支払われると述べた。告発者は、お金を支払った後、コル・ピークは「約束どおりに子供たちの仕事を確保できなかった」と述べているという。.
告発者は、コル・ポークに渡したお金の返還を要求したが、今日までそれを返済していないと述べた。
内務省・報道官:Khieu Sopheak氏は4月5日、まだ苦情を受け取っていない、または見ていないと述べた。
同省は、被害者の苦情を受けて調査を行うと述べた。「警察での仕事と引き換えにお金を受け取る警察官は、違法で腐敗しています」と同報道官は述べている。
日本人から見れば、奇妙な事件である。所謂公務員の売官事件であることは明らかなのだが、告発者自身が収賄の罪に問われる事件である。それが、高い金額が動いたという事実のために事件になった感がある。
要は、カンボジア社会では公務員の売官が一般化しており、現職公務員がその地位によって売官で収入を得、一方で告発者のようにお金で買官ができるという認識がなくては、起こりえない事件である。
公務員はその組織に収賄の上納組織が根付き、それが給与を上回るという余得収入があるようで、隙あらば国家の収入さえそれぞれの地位の者が抜き取るという収賄以前の腐敗機構であることがおのずとあきらかになってくる事件でもある。下の2022年の逮捕状未処理2万件もこうした副収入に一生懸命で本来の仕事は怠慢であるということを物語っている。
*下の記事をご参照ください。
掲載写真:Khmer Timrs