<2月20日市中感染事件>プレアシハヌーク州 制限措置を強化ー旅行者の出入り禁止措置ー

今回の決定は罰則を伴う禁止措置と解せる

3日夜、フンセン首相は、その音声メッセージで「シハヌークビルのロックダウンはしない。」と言明しました。メッセージでは、物流を維持しながら、一方、  Preah Sihanouk 州からの人々の移動を停止するよう管轄当局に指示していた。

4日午後、プレアシアヌーク州庁舎は、「本日(4日)以降、追って通知があるまで、当局は沿岸都市でのCOVID-19の発生を抑制するため、シアヌークビルへの出入りは不許可となる」と発表した。要は必要不可欠な物流を維持しながら、人の流れを止める措置と解せる。この州当局の決定は従来よりも一段と強い措置となる。従来は要請段階だったが、今回の決定は罰則を伴う禁止措置と解せる

黄色がシアヌークビルの市街地。それを含め茶色、赤紫色がプレアシアヌーク州の範囲。

当局は危機感 人の流れを止めなければ、感染経路を追えなくなる

こうした強い措置の決定は、シハヌークビル市街地での市中感染の増加が止まらず、危機的な状況に至る怖れからである。現に州当局は「これは、州政府が感染症例を管理し、患者やホットスポットと接触したことのある人々を探すことができるようにするために行われなければならない」と述べている。

人の流れを止めなければ、感染経路を追えなくなる危機感を当局は抱いているようだ。あたかも日本の昨年の3月末のような状況ー感染経路不明の感染者の続出ー直前の姿と似ている。経路不明者が続出すれば、緊急事態宣言を出しても後手、後手になり、結果的に感染を抑制できなくなるという日本の例がある。カンボジアは、2度の市中感染が起こっても、感染経路を追うことが可能であったため大規模な検査を実施し市中感染を短期間で抑えた成功例を示してきた。今、市中感染第3波でカンボジアは試練に直面している。

既に4日朝の段階での保健省の発表では、シアヌークビルで新規感染者18人を確認し、その内訳は中国人12人、カンボジア人5人、ベトナム人1人となっている。前日の3日の同省の発表では、<2月20日市中感染事件>で初めて地元住民の新規感染者数が中国人を上回った

*参照:①「シアヌークビル 感染スポット62か所に増加し、新規感染10人に」

②「首相、シハヌークビルをロックダウンしない、と言明」

掲載写真:シハヌークビル市街の市場の消毒 画像:Khmer Times より。

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