外需と地域経済の復活が経済復興を後押し、だが物価上昇率は日本以上か

つい最近の日本の経済指標の発表で企業所得がコロナ禍以前に戻ったというニュース報道がありました。これは、けっこう早い経済回復で良いニュースですが、企業所得の増加がそのまま物価高や実質賃金低下の苦しさをそのまま回復基調とするわけにいきません。日本国民の生活実感の苦しさは、しばらく続きます。また早い回復でも堅調というのには判断としては早く、米国経済の成長のツケを日本が低金利インフレ策で支えるという日銀の政策に変化がないと、大企業の輸出産業のみが潤って、輸入に頼る各種の産業は青息吐息という状態が続きます。

黒田バズーカともてはやされた歴代日銀総裁でこれほどに政権に密着した政治的な人物は珍しく、その結果雇用の拡大(特に非正規労働者)にはつながったものの、実質賃金や日本のGDP成長率は黒田総裁以前より下がり続けるという結果でした。リフレ策提唱者の浜田氏から「頑固」なと評される黒田日銀ですが、もはや任期切れ寸前まで残ると決めている(途中辞任は失政であること自認したことになる)ようですから、弾切れまで円をジャブジャブ市場に出して、みかけ景気回復を装いを続けるため円安は当面続き、円建て生活の海外在住日本人としては依然厳しい日々が続きます。しかしながら、経済の主要部分では、既にコロナ禍以前に戻っています。やがて日銀低金利見直しは必然で、そうしないと政権が持ちません。遅くとも来年の春には、円安是正に日銀は政策変更するでしょう(要は現総裁の進退次第です)。

さてカンボジア経済は、外需と国内経済の正常化に支えられて、Covid-19 パンデミックから回復し、今年は 5.4%、来年は 6.6% の成長が見込まれているという強気の姿勢ですが、コロナ禍以前の成長率6-7%維持は難しいこと、物価の上昇率が3%に迫ろうとしていることなぞ、街の生活実感からも解ります。プノンペンで景観で言えば、不動産建築に勢いがないことで、これは主な投資元である中国経済のゼロコロナが続く限り、低迷が続きます。

カンボジアの内閣は、金曜日の週次閣僚本会議で、2023 年の予算案を承認した。

「2022年のカンボジア経済は、ロシアとウクライナの戦争の影響にもかかわらず、成長傾向を続けると予想されている」と首相付大臣兼王立政府報道部門・議長であるPhay Siphan氏は述べている。ただ、この種の政府報道の公表数値は観光省の公式発表に典型のようにコロナ禍が最もカンボジアに打撃を与えた2020ー21年の数値と比較しているのだから、政策を経済回復に舵を切ったのだから、高くなるのは当然で問題は何年の数値と比較しているかにあります。それが、日本の経済回復とは大きな違いです。

経済財政部の総括報告書によると、外需と国内経済の正常化が景気拡大に大きな後押しをしている。「2023 年のカンボジアの経済成長は 6.6% と予測され、GDP は 322 億 9000 万ドルに達し、1 人当たりの GDP は 2022 年の 1,785 ドルから 1,924 ドルになると予想されている」と報告書に述べている。

一方でインフレ率が 2.5% になると予想されているため、産業、サービス、農業などの主要な経済セクターは拡大すると予測されており、これは国内メディアが報道していないが日本同様の物価上昇で消費生活は苦しくなっているのがカンボジア庶民の実感です。報告書は、外貨準備高が221億4000万ドルに増加するとも付け加えている。

フン・セン首相は、2023 年国家予算法を「人と経済の成長」のための予算と見なしている。

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