まさに「飴と鞭」の呼びかけ シハヌークビル 武器所持の取り締まりを強化
誘拐、強迫、銃器違法所持で逮捕された中国人犯罪者から押収された銃器類。

まさに「飴と鞭」の呼びかけ

カンボジア南部、唯一の外港を擁するシアヌークビル州政府は19日、「違法な銃器保有者に対して、法的措置が取られる前に武器を当局に引き渡すよう求めた」。まさに銃器所有者に対する<飴と鞭>の呼びかけである。

プレアシハヌークビル州知事:Kuoch Chamroeun氏は19日、「銃器保持者が家や車の中に銃が隠されていて、当局によって発見された場合、所有者は法的措置から逃れることはできまない。銃器所持者として発見される前に同保持は銃器を警察に引き渡すことを志願した場合、銃器所持者は無罪となるであろう」と彼は述べた。

「シハヌークビルの外国人」といえば中国人、と国内では理解している

同知事は、「外国人の場合、当局が違法な武器や拳銃を発見した場合、カンボジアで刑を宣告された後、自国に強制送還され、その後、国への入国が永久に禁止される」と付け加えた。既に5年以上前から「中国人の街」「カジノ、酒、女の中国人の街と化したシハヌークビル、カンボジア人たちは以前は行楽の人気の地であったが、安全と楽しさを求める者たちは避ける地となっていた。事実、外国人たちの銃器犯罪も増加している。今やシハヌークビルとは喧騒の街と化し、この街の外国人といえば、中国人たちである、とは誰もが理解している。そして今回の同州知事の飴と鞭の呼びかけも中国人犯罪者もしくはその予備軍への呼びかけと理解している。

カンボジアにおける中国人名称の強制送還、入国禁止:本サイトでは、カンボジア国内メディアが報じる中国人犯罪者だが、この中国人には台湾国籍保有者、そして今年から香港居住者にも適用されている。その数数百人に及ぶという国際報道がある。2017年に台湾は台湾国籍所有者は台湾への引き渡すようカンボジアと協議したが、カンボジアはそれを拒絶している。

これは台湾人が犯罪者として認定された場合、郷里の台湾でなく、中国に強制送還されることになる。これは、ある意味で中国が台湾を実質的に孤立させる手立てであり、中国は強くカンボジアに要求したものである。中国にとって人質外交の手立てであり、また中国にとって危険と見なされた人物がカンボジアで犯罪者となる可能性は事実、中国とカナダの間で起こったファーウェイ事件が記憶に新しい。

外国人だけでなく一般市民、警察・軍人に呼びかけている

同州の行政・報道官:Kheang Phearum氏は、「違法な銃器を当局に引き渡す期限はない」と述べた。さらに「引き渡しは一般市民だけでなく、許可なく銃器を保管している警察や軍隊のメンバー、または部隊からのミッションレターにも適用される」と付け加えている。これは、警察や軍のメンバーが安易に武器を携行し犯罪に及んだり、武器の大量横流しの事件なぞ、多発する警察・軍の不祥事を意識したもので、内部組織であれ例外はない、と言明したに過ぎない。

プレアシハヌ―ク州:正式にはプレアシハヌーク特別市である。プノンペンも正式には州名でなくプノンペン都とい名付けが合っている。シハヌークビルは市の区の名前であるが、外国人ではシハヌークビルというのが一般的に知られている。カンボジア人はコンポンソムと現地語で呼んでいる。

*掲載写真:誘拐、強迫、銃器違法所持で逮捕された中国人犯罪者から押収された銃器類。画像:Khmer Timesより

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