カンボジアの地雷問題、昨年比で死傷者は54%増加

既にカンボジア内戦が終わってから30年であるが、内戦の置き土産と化している地雷と爆発的な戦争の残骸(ERW)による死傷者は2022年上半期で40人で、26人の犠牲者がいた昨年の同時期と比較して54%増加したという(カンボジアの地雷対策および被害者支援当局(CMAA))。

現在のロシアの侵攻によるウクライナの戦後の地雷処理は10年かかるといった報道も出ているが、筆者が見るに10年では無理であろうと思っている。それほどにウクライナはカンボジア以上に国土を傷つけられている。カンボジアの場合、何よりも米国に責任があり、ウクライナの場合はロシアであるが、どちらも国家して敗北も侵略も責任を認めておらず、さらには自国は一度たりともカンボジア、ウクライナに戦火による傷痕はない。傷痕からの復興は日本を含めた国際社会であり、大国のエゴイズムがこれほどあからさまな事はない。モスクワやニューヨークで陽光の下でコーヒーを楽しむカップルをウクライナ、カンボジアの人々から見れば、許し難いことだというのが、一方的に傷つけられた人々の本音であろう。

2022年1月から6月にかけて、地雷による死傷者は18人、負傷を含めれば死傷者は22人であったという。また事故により10人が死亡し、7人の切断を含む30人が負傷した。「死傷者のうち、27人が男性、12人が18歳未満、1人が女性でした」とCMAAは付け加えている。

過去30年間で、カンボジアは2,600平方キロメートル以上の地雷の影響を受けた土地を開墾し、26,000以上の対戦車地雷と、100万以上の対人地雷および300万以上の他の仕掛け爆発物を見つけて処理してきた。

カンボジアはすでにケップ、プレイベン、スタントレンの3つの州を地雷などの仕掛け爆発物のない州として宣言していますが、カンボジアが2025年までに「地雷がない」という目標を達成する前に、まだ716平方キロメートルの土地を処理する必要があります。

上記の目標を掲げて、フン・セン首相は7月初旬に、地雷除去活動のために一般からの寄付を集めるための慈善団体を設立した。CMAAの最初の副代表:Ly Thuchは、この目標を念頭に置いて、トボンクムン、タケオ、カンポットの3つの州が近い将来に地雷除去と宣言されると述べている。

掲載写真:CMACの地雷処理 画像:Khmer Timesより

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