このほどアジア開発銀行(ADB)の総裁:浅川雅嗣氏はカンボジアの経済回復の道に触れ、「カンボジアは国内総生産(GDP)の昨年のマイナス3.1%から持続可能な回復を推進するために、苦戦している産業に焦点を合わせ、全体的な生産性を向上させる必要がある」と述べた。
先週、アジア開発銀行は2021年の成長予測を4月の4%の予測から1.9%に引き下げたが、来年の見通しは5.5%のままにしている。
また、世界銀行は、
世界銀行はカンボジアのGDP成長予測を引き下げ 4月予測値4.1%から2.5%に
下記の記事を参考
https://www.phnompenhpost.com/business/world-bank-lowers-gdp-growth-forecast
さて、アジア開発銀の見方では、2022年の予測値は「カンボジアが適切な政策を実行すれば、、コロナウイルス感染前のレベルに平均7%の成長をもたらすことができるという期待から予測値維持である」と述べている。
カンボジアは今年、コロナ禍で国は外国人観光客に閉鎖された。観光業は2019年のカンボジアの経済成長に33%近く貢献し、2020年は3%にまで落ち込んだ。
総裁:観光業だけに頼る危うさを指摘
報道によれば、カンボジア政府は観光客のための7日間の検疫で11月の再開を間もなく発表する可能性が高いという。それは2022年の成長に大きな影響を与えるかもしれないが、ADBの総裁は「観光業を強調しすぎると回復が鈍くなる可能性がある」と述べた。同総裁は「私は観光業のゆっくりとした回復について話しました、そしてもちろんカンボジアの迅速な回復を望んでいますが、非観光業、多様な産業部門の基盤が利用可能であるため、それらの非観光業部門は包括的で持続可能かつ回復力のある方法で経済全体をボトムアップし、経済回復する必要がある」と述べた。
同総裁は、Covid-19の脅威が収まった後、アジア太平洋地域のすべての経済が持続可能な成長を達成するための4つの条件を提示した。
ADDが提示した4つの施策
1.保護貿易主義と戦い、地域貿易を強化し、世界的な投資を呼び込むことによって、各国はグローバリゼーションに戻る必要があると述べた。
「観光はGDPの大きな部分を占めるので、観光による貢献度は高いが、太平洋諸島やタイなどの国と比較して、カンボジアの観光への依存度はそれほど大きくない」と同氏は東京でのメディアブリーフィングで述べた。
2.社会的保護を強化することにより、この地域の拡大する所得格差を埋めることを求め、パンデミックの間に8000万人が絶対的貧困に戻ったと指摘した。
3.ブロードバンドへのユニバーサルアクセスを通じてデジタルデバイドを狭め、サイバーセキュリティを向上させることで、在宅勤務、電子バンキング、ホームスクーリングへの移行を利用して、各国が「デジタル化を収穫」する必要がある。
4.米国が金利を正常化すると通貨が下落する可能性があり、ドルを押し上げる可能性があるため、各国は国内の資源動員を強化する必要があると述べた。
アジア開発銀行(ADB)によると、発展途上のアジアの複合経済は、昨年の0.1%の縮小から今年は7.1%成長するが、タイなどの一部の東南アジア経済では引き続き弱さを伴い、成長は来年は5.5%に落ち着くだろう、と見ている。
掲載写真:モンドリキリ 画像:KhmerTimes