15日、フンセン首相 国民に向けてTV放映で演説 その1 ワクチン購入

フンセン首相の重要演説の要旨は3点に絞られる

15日、プノンペンの多くのカンボジア人が今日、フンセン首相の重要スピーチがある、と言っていてなみなみならぬ関心を抱いていた。既に地元メディアは前日の14日、、大々的に広報していた

16日今朝、「コロナ禍は終わったんだてね。」と日本人が訊くから「そんなことはないよ。」と答えると、でも「クメール人たちが『もう終わった」ようなこと、言っていたから』、いや、「① 11月28日のコロナ感染についてはまだ終わっていない」、「② ワクチンの購入」、「③ 高校卒業資格試験は中止して無条件で全員合格」という点だけでしょう、と答えた。「そうなんだ!?」と怪訝な顔でいう。

「ワクチン」の話を聞いてカンボジア人が安心と早や合点したのか、それとも日本人のクメール語能力の低さからくる思い込みか、いずれにせよ、15日のフンセン首相の国民向けの演説は地元メディアの報道を精査すれば、上記の①、②、③が要旨である。

ワクチン購入はCOVAXを通じて全国民の20%の取得契約に署名

フンセン首相は15日、「政府が新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンの購入に対して約4800万ドルの寄付を受け取った」と述べた既にフンセン氏は12月7日、保健財務省にワクチン購入のための資金を確保するよう要請し、マム・ブンヘン保健相が世界保健機関と協議して、王国がワクチンを購入すべき国を決定することを提案していたた。

15日の演説でまたフン・セン氏は、寄金に参加した人々や企業に感謝を示しているが、寄付について「英訳文:I do not expect that this is a great national movement which I name it the pillar to protect the people. これ(寄付金4800万㌦)が国民を守るための柱と呼んでいる大きな国民運動だとは思わない」とも言及している。

ワクチン購入は先ずは初めの段階で、そのために集めた寄金が未だ十分な訳ではない、と述べているように解せる。フンセン首相は、保健大臣はすでにCOVAXを通じてワクチンの20%を取得する契約に署名した、という。

フンセン首相はまた、同演説のなかで「カンボジアの人々のためのワクチンの調達について疑問が投げかけられている」ことに触れ、「私たちはすでにこの作業のいくつかを行っています。まだ届いていない」と述べ、「ワクチンは『COVAX』*を通じて入手する必要がある」と述べた。COVAXはカンボジアに人口の20パーセントまたは約320万人を供給される」「COVAXには、カンボジアの予算の5パーセントを支払うことになる。」そのため、「カンボジア政府はワクチンを購入するためにすでに1億ドルを割り当てている」とワクチン購入の手立てについて言及した。

COVAX:ワクチン共同購入「COVAX」、国際枠組みで日本も参加している。世界保健機関(WHO)は9月21日、新型コロナウイルスのワクチンを世界各国で共同購入して分配する国際的枠組み「COVAX(コバックス)」に、日本を含む156か国・地域が参加したと発表した。世界の人口の64%をカバーするという。(自国第1 first の思惑からか)米国や中国、ロシアは参加しなかった。WHOや、途上国でのワクチン接種を支援する国際機関「Gavi」などが主導するCOVAXは、2021年末までに20億回分のワクチン確保を目指す。日本や欧州など64の高所得国からの拠出金を製造などに充て、92の低中所得国が調達で支援を受ける。ー2020.9.22 読売新聞記事を参照ー

WHOの承認のないワクチンは購入しない

続けて同首相は、「WHOの承認がない限り、カンボジアはどの国や企業によっても行われるワクチン試験を許可しない」と述べ、「カンボジアはWHOによって承認された国からワクチンだけを購入します」「カンボジア人はどの国にとってもワクチン試験場ではない」と、ワクチン購入についての条件を示した。

腰を据えてワクチンを待て

「私たちは腰を下ろしてフェイスマスクを着用し、(ワクチンが承認されるのを)待っている。」と終わりに同首相は述べた。

これは、カンボジア国民に「ワクチンは購入する、全てに行き渡る訳じゃない、時間がかかる」ということを納得させるために演説である。既にワクチンについては、地元メディアは同首相が「医療スタッフが最初にCOVID-19ワクチンを接種するリスクの高いグループであり、次に教師、軍隊、刑務官、司法官(林業、漁業、環境官)が続く」と述べた、と報道している(8日付)。

15日のフンセン首相の国民向けアピールは、最初に記したようにカンボジア人の誤解に満ちた受け取りか日本人のコミュニケーション能力からくる見当違いの受け取りとか、カンボジア通を自称する外国人ほど、噂や流言飛語を真に受ける。

以上の記事が、15日のフンセン首相の重要演説と称する「ワクチン購入について」の部分の要旨である。

*掲載写真:12月15日 フンセン首相はTVを通じて国民に語る

 

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