<2月20日事件>新規感染1日350人前後、プノンペン都150人前後、高止まり

既に5月の半ば、<2月20日市中感染事件>という言葉は、5月になって保健省をはじめ地元報道も忘れたかようになんている。

要は、事件発生時から3か月も経つと新型コロナウイルスが全国に蔓延し、感染そのものを名付けた経緯や3か月にわたって抑え込めなかった事実を忘れたかのようになっている。人は嫌なことはどこかで忘れたい、または他の事象に話題を取り替えたい意識があるのであろう。が、依然新型コロナウイルスは蔓延し、変異種に置き換わろうとしているから状況は安心できない。あるのは、安心したいという科学的根拠に眼つぶっての希望的観測だけである。これは在カンボジア日本人とて自粛疲れで同様であろう。

プノンペン都のロックダウン以前、コロナ、コロナのニュースで仕事も商売も干上がっちゃう、という声も寄せられたが、ロックダウンの発令でそれどこじゃないんだ、という認識が拡がり、先の言葉も同時に収まった。

保健省の発表

5月16日(5月15日の確定数)

<2月20日市中感染事件>関連での新規感染者341人

◇ 入国検疫 9

総計350人

<同事件>関連での累計21178人 カンボジアでの累計総数21826人(輸入症例:581人 2月20日市中感染以外の国内感染者累計65人) 死者150人

5月17人(5月16日の確定数)

<2月20日市中感染事件>関連での新規感染者356人

◇ 入国検疫 4人

総計360人

<同事件>関連での累計21534人 カンボジアでのの累計総数22186人(輸入症例:585人 2月20日市中感染以外の国内感染者累計65人) 死者154人

となっている。

先週から<同事件>関連の新規感染者が500人台が350人前後に減っているが、ほぼ1週間高止まりの状態で推移している。特にプノンペン都やカンダール都、プレアシハヌークビルでは感染ホット地域からの新規感染者の確認は続いている。また、他の都市は感染ホット地域+州間旅行の解禁で各地の都市でプノンペン都から来た者が感染源になっている。

16日、プノンペン都は新規感染者を発表した

久方の発表、毎日三桁の感染者が確認されているだろうが、事務処理能力がないのか、その他の理由か発表を見る者には気まぐれ発表に思える。

プノンペン都庁は、<2月20日市中感染事件>に関連して、市場関係者や裁縫労働者を中心に144人の新規感染者の身元を明らかにした。発表目的は、患者と直接または間接的に接触して検体を検査および検疫する人々に情報を提供することを目的としています。

この発表で明らかになったのは、全てカンボジア人、そのためこの発表の身元が1日あたりなのか、数日当たりなのか定かではない。事実は、カンボジア全体の毎日の新規感染者確認数の推移をみていると、プノンペン都は日々100~150人台の感染者数が確認されているようだ。人口比で言うならば、東京都で450~600人台の新規感染者となる。電車もバスも走っていないプノンペン都であるから、安心できる状態には至っていない。

17日、シハヌークビル市は新規感染者56人の身元を明らかにした。

これも数日ぶりに発表、事情は上記のプノンペン都の青字文と同じである。ここも人口比でいえば、感染率はプノンペン都と同等かそれ以上である。

感染状況に関して報道方向が大きく変わる

<2月20日市中感染事件>に関連する新規感染者に関する記事が先週の月曜日辺りから、地元メディアでの報道方向が大きく変わった。2点あることに気づく。

① 新規感染者の確認による感染状況への注視から感染者の回復増加を強調する記事に。

② 地方の州での感染増加が著しいところの感染状況を取り上げ、感染ホット地域が長く蔓延しているプノンペン都、カンダル州、プレアシハヌーク州での感染状況を伝える記事の激減。

地元放送の報道方向は直接政府や関連機関の咆哮を反映しているとみてよい。

*掲載写真:シハヌークビルの感染者身元公開 画像:Khmer Times

 

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