昨日お伝えした詐欺事件で収監され、脱走・逮捕の日本人ですが、警察関係者やその再逮捕者を知る在カンボジア日本人からその日本人に関する新たな情報が入って来た。<あっ、あの人だ!>と気づいた人もいたのです。
14日付のKhmer Timesには、同事件の囚人名:「Kuno Kakaka(70歳)」となっていました。先ずはこの氏名自体が怪しいと思った方が多いと思いますが、Khmer Timesの誤記のようです。
「『konno kakadaという名でカンボジア籍で日本の国籍はないとの事』と本人が以前話していた、ということを聴いた」(在カンボジア日本人談)。
また、脱走囚人は「かなり以前から詐欺師と知られていた。日本では彼の仲間が逮捕され、いずれも刑期を受け、収監中である。それで彼はカンボジアに入り、カンボジア国籍を得て、日本人ではないといっているようだ」(在カンボジア日本人談)
さらに下記のようなWebサイトを参考にと教えられました。
そのサイトには、次のような投稿がありました。
《カンボジア不動産詐欺事件で今野郁男氏に対して送達をしたけれども、今野郁男氏が「受領拒絶」をしたとカンボジア不動産投資被害弁護団公式サイトに記載があります。
しかし、私は、今野郁男氏の「受領拒絶」の行動は、何ら非難されるべきものではないと思っています。受領拒絶は当然です。
むしろ弁護団の嘱託手続きがおかしいと思っています。
なぜ、私が今野氏の肩を持つのか?
送達嘱託書を見てください
受送達者
氏名 今野郁男
Ikuo Konno
国籍 日本国
住所(就業場所)
AAP INTERNATIONAL (CAMBOJIA) CO.,LTD
となっています。
この方、既にカンボジア国籍を取得して日本国籍を放棄されているようです。そうであれば、今野氏が訴状を受領しないことを非難することはできません。
なぜかというと、送達先の氏名及び国籍が全て間違っているからです。
この受送達者の表記では、「被告の今野郁男氏」と「Konno Kakada氏」との同一性の確認が取れないのです。
今野氏としては、「おれは日本人の今野郁男ではない。カンボジア人のKonno Kakadaである。」な訳ですから、今野郁男としてきた文書を受け取りようがないのですよ。
この点だけは、今野氏の主張は極めて正当です。》
以上の情報によれば、脱走囚人の氏名は日本国籍所有時に氏名 今野郁男 Ikuo Konno
上記の就業場所AAP INTERNATIONAL(CAMBOJIA) CO.,LTDのについては、Webサイトでは検索で見つかりません。おそらく実態のない会社名でしょう。カンボジア国籍を取得しKonno Kakadaを名乗っていることもあり得ます。
一方で二重国籍者であるというKhmer Timesの報道(警察情報から)も間違いであるとは言い切れません。
カンボジアは原則二重国籍を認めています。本人が日本国籍を所有し、カンボジア国籍を取得したことで国籍離脱の手続きをしなければ、日本国籍を離脱できません。逆に日本国籍を外国籍の者が取得される場合、一人一国籍が原則です。だが、実質海外で長期に暮らしている日本国籍保有者が滞在国の国籍を所有しても二重国籍が認められている場合、何ら問題はありません。また、日本国籍の離脱を強いられるものではありません。これは中国富裕層のように米国で出産し、米国籍を保持したまま中国国籍を有して中国に暮らしても実質問題とされない例のように。事実、世界の国々では多重国籍を認める国のほうが数としては多いのです。詳しくは「国籍」ーWikipediaを参考にー
以上のことを考えるに、氏名表記「Kuno Kakaka(70歳)」のKakakaは誤りだとしても、本人が他の日本人に話す時、「Ikuo Konno」から「konno kakada」ということはあり得ます。また、日本国籍があるかどうかは厳密には日本の法務省に問い合わせなければ、わかりません。つまり本人が「国籍離脱」の申請をして認められたか、どうかです。それ故、カンボジア警察発表の二重国籍者というのは十分にあり得ます。
いずれにせよカンボジアを騒がせ、在カンボジア日本人のまっとうな人々が眉を顰(ひそ)め、在カンボジア日本大使館の仕事を増やすような囚人ですから、本人の話自体も信用できません。警察もそう思っているようです。
要は脱走囚人・再逮捕の人物は在カンボジア日本人でも知る人ぞ知る「有名な詐欺師」のことです。日本人じゃないという話は他の日本人に対して偽証の可能性が強く、国籍離脱していないと考えるのが自然です。詐欺師でその仲間が日本国内で捕まり、本人は表面上カンボジア人になりすまし、彼の必要に応じて日本人であったり、カンボジア人であったりと成りすましていたのはないか。そして警察ではある種の特別待遇を期待して「日本国籍を有する日本人」で「カンボジア国籍を有している」(これ自体、カンボジア国内では違法ではない)と話している可能性もある。
いずれにせよ国籍有無に関わらず、嘘つきが商売道具の詐欺師の罪で収監された人物、収監中に病院を利用して脱走するなんて禄でもない奴ということは間違いない。
掲載写真:Kuno Kakada とカンボジア名を名乗り、在カンボジア日本人にはkonno kakadaと名乗り日本人:今野郁男 画像:Khmer Times