<朗報か> プノンペン都 感染者減少傾向へ ワクチン接種拡大効果
In advance preparation for the vaccine’s arrival, people in Preah Sihanouk province register to be inoculated. Preah Sihanouk Provincial Administration

ワクチンだけが頼りという現実

これは朗報であろうか。都庁保健部がプノンペン都の感染発生は減少と言及した。プノンペンの保健当局は、プノンペンでのCovid-19の症例が着実に減少しているのは、政府がワクチン接種を成功させたためだと主張している

プノンペン市保健局長のNgy Meng Heng博士は、現在、プノンペンでのCovid-19の確認した陽性率は着実に低下しており、先月の400〜500例と比較して、1日あたり100〜200例であると述べてた。ようやく高止まりが全体傾向として下げ止まりになったということであろう。下げ止まりだから、3月半ば頃の状況に戻ったということで、これで安心、安全ということではない。

ほぼ1か月、州間移動が自由なのだから最辺境の州であるラタナキリで1日に100人の感染者を超えたなんていうのは、深刻な状況である。

都保健局同博士は、プノンペンの感染率が低下した理由は、保健省のワクチン接種が首都の人口のほぼ100%に接種した(注:ならば…と付けるのが正解、カンボジアのような政治体制の国は+情報は過大に、-情報は過少にかまたはなかったことになる、というのが常識)、ほとんどの人が「3つのすべきことと3つのすべきでないこと」に従った場合、省のガイドラインに準拠しているためだと述べました。これには、フェイスマスクの着用、手を洗うこと、社会的距離を維持することが含まれる、と述べている。

未だ学校が再開できないのには、事情がある

保健省からもプノンペン都も5月5日以降、日々の都・州別感染者発表を止めたから、推測の域はでないが、おそらくプノンペンで対象者(人口6割程度)にワクチン接種がかなり進んできたということであろう。18歳以上が対象者でプノンペン居住戸籍から移動住所証明があるものだから、ようやく実際のプノンペン都の居住者の5割ほど達成するのである。だから、医療事情やその他の事情で、未だ学校が再開されていない。今年は学費・管理維持費を徴収する私立学校でさえ、学校での授業は1か月ほどで、公立学校となると数える数ほどの数字である。そのため、富裕層の子弟が通う私立AISなど退学者が出ているという。オンライン授業など、喧伝するほど学習に実態から乖離しているのが現状で、それで高い授業料なんぞ、払っていらないという声が保護者では圧倒的である。

ワクチン接種の重点は工場労働者、漏れた者そして地方に重点が移る

保健省・報道官で、Covid-19ワクチン接種委員会・委員長:Vandine女史は、次のように述べた。  彼女は言いました。「計画された結果を達成するためのワクチン接種キャンペーンを促進するために、Covid-19と闘うための全国委員会に要請することができます。」と。これからはワクチン接種の重点は地方へ、都内では工場労働者へと移っていく。このワクチン接種だが、2回接種して2週間後の間を見ないと抗体ができないというのが常識、1回と2回の間がほぼ3週間、だから1回目の接種が終わっても、5週間の時間をみないと本当のところは解らない。明らかな感染率ダウンは早くて7月上旬、それでも注意が必要である。

<朗報か>というのは、以上の理由である。

懸念材料は感染、重症化率の高い変異種デルタ型

感染率、重症化率の高いインドが変異種・デルタ型。「すれちがうだけでも感染する」というもので、既にタイから帰国した出稼ぎ労働者から相次いで確認されている。と、いうことは潜在保持者はその数倍であろう。幸い抗体ができれば、どうにかなるという。学校を再開するためには、ワクチン接種を15歳まで引き下げることであろう。それがプノンペンの今後の課題になる。

*掲載写真:シハヌークビルで始まったワクチン接種。 画像:Khmer Times

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