首相、野党党首ソカ氏支持の諸外国外交官ら一部を「陰謀者」と非難

5月22日、フン・セン首相は外交界を激しく非難し、反逆罪で有罪判決を受け27年の自宅軟禁を言い渡された元野党指導者ケム・ソカ氏が穏やかにしているにもかかわらず、一部の外国大使が彼の友人のふりをしていると非難した。

フン・セン首相は、シアヌークビル中国支援の経済特区で行われた中国の国策「一帯一路」10周年でもあるタイヤ工場の落成式に出席し、そこでの演説のなかで、「これらの外国の特使を<陰謀者>と呼び、彼らの秘密活動を自分が知らないと考えるのは無駄である」と念を押した。同首相は、さらに「彼らのせいで国王にソカ氏の恩赦を求めることができず、ソカ氏も政治から締め出された」と付け加えている。

また、同首相は国名の名指しこそ避けているが、このように警告した。

「一部の外交官はこのことを理解すべきだ。フン・セン氏があなたの活動をはっきりと知らないとは思わないでください」、「一部の外国当局者がソカ氏と秘密裏に協力していた」、「私や国の主権を侮辱する外交官を私は信用しません。カンボジアと協力したいですか、それとも小さな反政府グループと協力したいですか? 外交官の中には、少数の反政府勢力に焦点を当て、国の指導者を無視する人もいます。そんな人たちと一緒に仕事をすることはできません。」と。

また、フン・セン首相は、「<カンボジアの問題は外国人の関心事ではない>ということを外国の外交使節が理解することを望んでいる」、「これはカンボジアの内政問題であり、カンボジアが自力で解決すべきだ」と延べている。

さらにフン・セン首相は、「一部の外交官は常にフン・セン氏を批判しているが、インラック・チナワットとタクシン・チナワットを(所謂タクシン派の政権)を打倒するためにクーデターを起こしたタイ軍を批判しない。」「彼らはタイが民主主義を尊重すべきであることを批判したり要求したりしたことは一度もなかったし、タイが民主主義政策を適切に実施するよう要求したことさえなかった。しかし、彼らは常にカンボジアに民主主義のブランドに従うよう強制します。」と、ちょっと勇み足の話題にも触れている。

が、世界の認識では、現タイ政府は、軍部のクーデターでタクシン派から政権を非合法に奪い、さらに法改正で軍事政権が文民政権を装い、何かと総選挙をずるずると引き延ばし、総選挙をしてみたら政権維持は大敗し、さらにはタクシン派にも飽き足らない若年層の圧倒的な支持を受けた王室改革を訴える党が第1党に躍進した。軍部独裁、その継承の擬文民政権プラユット政権時代について米国をはじめ日本も含めて外交的にプラユット政権に対し陰に陽に民意を問うように総選挙を促していたことは周知の事実であり、ましてやNHKをはじめとする報道機関はプラユット政権が軍事政権の後継者であることを伝えていた。当然、欧米の報道機関はさらに露骨に批判していたのが、事実である。

さすがKhmer Timesも、首相の一部外国の陰謀論を大きく報道しながらも、「プノンペンの米国大使館のステファニー・アルザット報道官は昨日電子メールで、民主主義と人権尊重の促進がカンボジアおよび世界における米国の外交政策の中心である」と述べた、は米国の言及を最後にさりげなく掲載している。

「選挙になるとこうした話題や野党批判のニュースが各メディアを日々、埋めている」と本サイトでは指摘しておきたい。

掲載写真:首相は22日、中国のタイヤ工場を視察 Khmer Timrs

おすすめの記事