首相、米国でミャンマーの反軍政の人々の抗議に反論

米国を訪問しているフンセン首相に対し、在米ミャンマーの人々が抗議を計画していることに首相は神経質に反論した。

これは、フンセン首相が5月12日にワシントンDCで、米国とカナダに住む2,000人のカンボジア人との会合で述べたものである。

「ミャンマーの軍政権トップのミン・アウン・ライン将軍は、停戦協定に署名するために他の武装グループと話し合うようにASEAN議長に要請した。したがって、私はこの行動を止めるために私に抗議することを計画しているすべてのミャンマーの抗議者に訴えたいと思います。そうでなければ、それは自国を破壊し、罪のない人々を殺すでしょう」とフンセン首相は語った。

これは、ミャンマーの抗議者に対し行われたものだが、今年1月にフンセン首相はASEAN議長国の立場でミャンマーを公式訪問し、ミャンマー軍トッㇷ゚の同将軍と会談したことが、ミャンマーの圧倒的な多数を占める反軍政の人々から激しい反発を受け、ミャンマー各地でフンセン首相のミャンマー訪問に抗議するデモが起きた。また、ASEAN域内の国々からも首相のスタンドプレー外交はASEANの合意を超えているという抗議を受け、1月のカンボジアで予定されていたASEAN外相会議が流れ、延期された。ミャンマー人の人々は残忍な軍政権の弾圧のなか、その軍政を支えるかのような首相の行動に対する反感を忘れていない、ということの裏返しのフンセン首相のスピーチである。

「ミン・アウン・ライン上級将軍は和平交渉のために民族武装グループと会うことを計画しているが、一部の民族武装グループは、すべての関連する利害関係者が参加できるようになるまで、そのような和平交渉への参加を拒否した。」と米国でのフンセン首相のスピーチのKhmer Times報道は、肝心な点を敢えてか忘れているか、片手落ちの報道である。

事実は、3月のミャンマー国軍記念日で軍政権トップのミン・アウン・ライン将軍は、「反軍=民主派は殲滅する。他の少数民族と和平を進める」という趣旨の発言をして、世界に報道されている。要は、最大多数の民主派支持の政権を非合法な軍事クーデターで政権を強奪したミャンマー軍部は、徹底的な残忍な方法で反軍勢力の動きを抑圧すると内外に宣明し、さらには外交儀礼以上にASEANからの要請に一切応える意思がないことをその態度、言動で示している。つまり1月のフンセン首相のミャンマー訪問自体が無駄であったということで、その余波であるミャンマー人の抗議にフンセン首相は神経質に応えていることになる

掲載写真:イメージ 画像:Khmer Timesより

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