首相、「テチョ運河は経済目的で、安全保障の脅威にはならない」と懸念の鎮静化に

フナンテチョ運河プロジェクトに対する米国や周辺国(特にベトナム)の懸念が高まる中、フン・マネ首相は、「このプロジェクトが他国に安全保障上の脅威を与えずに国の経済を促進する」ことを再確認した。

フン・マネ首相の反応は4月11日、カンボジア初の最大規模の酪農場であるタケオ州バティ地区カンドゥン自治区キリス農場を開設した際に表明された。

フン・マネ首相の声明は、直接的には「フナン・テチョ運河がカンボジア経済に貢献しているだけでなく、中国軍にとっても大きな価値がある」と主張するベトナム東洋研究開発研究所と評論家らが執筆した研究論文を受けて出されたものである。

同研究論文では、「ベトナムが支援する東洋研究開発研究所の研究者2人が、この運河は社会経済発展を促進する一方で、ベトナム国境近くのカンボジア領土奥深くに中国軍が駐留することを促進する可能性がある」と述べたという。

また、フン・マネ首相の声明がだされた同日に米国の懸念表明やベトナムのフナン・テチョ運河への情報共有の要請がカンボジアに行われている。

*下の記事を参照してください。

フン・マネ首相の声明では、「カンボジアはいかなる国に対しても敵意を抱いていない」と繰り返し強調しており、諸外国の反応にたいする沈静化を図ったものと受け止められており、首相の声明では、「私たちはすべての国と友好関係を築くことを約束します。私たちはどの国も敵とはみなしません」と付け加えられている。

首相は、「カンボジア憲法は自国の領土内に外国の軍事基地を置くことを認めておらず、カンボジアには我が国の憲法に反対する野心や意図はない。私たちはいかなる国もカンボジア領土に軍事基地を置くことを許可しません」、「我が国を他国の基地として使用することは許さず、ましてや軍事基地として使用することは許されない。カンボジアのどの国に対しても敵対的な活動を行うことは許されない」と述べ、「運河には軍艦を収容することはできない(船が運河の容量よりも大きいため、軍艦はフナンテチョ運河を使用できない)」「同運河は貨物船専用に建設される」と指摘している

またフン・マネ首相によると、フナンテチョ運河は外国の軍事利用ではなく経済的理由で建設され、このプロジェクトは運河からメコン川への海水の流入を防ぐ技術を確立するために少なくとも40人の専門家による26か月の研究を経たと述べ、同時にメコン川に関する国際法も遵守する」と表明した。

同フナンテチョ運河建設プロジェクトは、カンボジアの首都プノンペンから沿岸部のケップ州まで約180キロメートルに及ぶ建設で年内に着工予定である。昨年10月に中国の巨大経済圏構想<一帯一路>に関する国際フォーラムが北京で開催された際、国有の中国路橋工程がこの運河の開発契約を結んでいる。中国が資金を提供しカンボジアで進められている17億ドル(約2600億円)規模の運河計画で今年第 4 四半期に起工する予定である。同運河は全長 180 キロメートルに及び、ルートに沿って幅はさまざまです。完成までの期間は4年を予定している。

掲載写真:Khmer Times

 

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