日本だけがベトナムの国際線再開計画に対応 これって皮肉?!

ベトナムは年明けの1月1日から国際線運行を再開する国策であるが、Khmer Timesは、そのWebサイトの経済欄に12月27日付けで「9つの国のうち、日本だけがベトナムの国際線再開計画に対応しました」という見出しの記事を掲載した。これって皮肉?、ちょっと嫌味な見出しである。もちろん日本の民間航空会社はベトナムには応えているが、カンボジアの観光省の呼びかけには応えていない。それは実に解かり易い理由にある。このニュース、話題はベトナムだが、皮肉を感じてカンボジアニュースとした。

ベトナムの民間航空局によると、来年から週4便の定期国際線を再開するというベトナムの計画に正式に同意したのは日本だけだという。

ベトナムは、2022年1月から安全性の高い9つの目的地、プノンペン、カンボジア、北京/広州(中国)、東京(日本)、ソウル(大韓民国)、台北(中国)への航空リンクの復旧を目指しています。 、バンコク(タイ)、シンガポール、ビエンチャン(ラオス)、サンフランシスコ/ロサンゼルス(米国)を国際線再開の対象地としている。

同航空当局によると、各国はすべて航空接続の復旧に注意を払っていますが、航空会社にとって疾病の予防と管理、乗客にとって便利かどうか、フライトの割り当てなど、まだ考慮しなければならない問題がたくさんあるとのこと。

Khmer Timesの記事内容では日本以外に二の足を引いていいる公式理由として挙げているが、それだけではないだろう、というのが事情通の考えであろう。

1年前のANAプノンペン直行便の再開、ぬか喜びの日本人もいた

在カンボジア日本人なら或る経験からよく解ることがある。国家間の事情がどうであれ、独裁国でない限り民間航空会社は国家の政策を考慮しても、先ず第一はコストと収益性である。2020年の12月の5便、2021年の1月の2便のANAの再開便はそれなりの収益性が見込まれたからで何も在カンボジア日本人も利用できるだけであっても、そのための再開便ではなかった。

要は日本側の都合と日本行きの便に確実に座席が埋まる見込みがあったからに過ぎない。要は日本側の需要のある技能研修生という出稼ぎ労働者を確保するためであった。ベトナムの要請は受け入れても、カンボジアの要請を袖にしたの単に収益性の問題である。

民間航空会社の運航では先ず収益性を重視

わざわざ、こんな時期にカンボジアまで観光客が来ます?まして慎重な日本人が。カンボジアが観光立国として20年以上のキャリアがあるタイと比べ物にならないのが現実である。ベトナムとてここコロナ以前の5年、観光客はうなぎのぼりであった。G7サミットがダナンで開かれたことがその象徴である。コロナ後のベトナムの経済復活を期待する声は大きい。タイ以上である。

問題の多い技能研修生制度

さて技能研修生制度だが、発足時から批判が絶えない制度である。「技能研修」を隠れ蓑にした出稼ぎ労働制度ではないか、人権上の懸念があると発足時から米国の国務省から批判を受けていた。人身売買とも言える怪しげな仲介組織、留学生の名で受け入れる日本国内の日本語学校では1年間で2割がバックれる高額授業料目当ての学校もある。以前には水増し入学で国からの補助金目当ての大学もニュースになった。

現にここ5年で在日外国人の犯罪数は中国人を抜いてベトナム人がトップになっている。ベトナム研修生の送り出しに組織のなかには、ベトナムマフィアが関わっているのは周知の事実である。最近のニュースでは悪質送り出し組織が認定資格を取り消されたが、取り消しが2つだけでいいのか、という批判記事が日本国内で出ている。そうした研修生や留学生の送り出しも受け入れ組織のかには合法性を装っているがその両方に日本人が関り、受け入れ組織には理事には地方議員や国会議員が名をつられながら悪徳人身売買まがいの組織もある。

日本がベトナム定期便の運行承諾の背景とは、先ずは航空会社のコストに見合う収益性である、それなりの収益性が見込まれず、民間航空会社がOKを出すのは国策のためじゃない。安価な労働市場が日本にとってベトナムにあり、ここ数年はカンボジアはカンボジアにも拡がって来たに過ぎない。出稼ぎ労働がどんなものであるか、また当の労働者たちがどう受け止めているかは、日々のカンボジアニュースの話題に事欠かないタイへの出稼ぎ労働者たちの姿を見せる。もはや5年前、カンボジア人が技能研修生として日本に向かうのに5000㌦自費負担が必要で、さらに給与は最低賃金が支払われているにも関わらず、寄宿舎の雑魚寝と自炊、外出は週1回で買い物、食費等を手取りは8万円弱というのを引率の日本語を勉強したカンボジア人から聴いている。それでも我慢すれば3年で2万㌦のお金を持って帰るという。日本人が耐えられないから、外国人を必要としているのである。

Khmer Timesの記事は、どこかにカンボジア人の反ベトナム感情をくすぐるところが感じられる。

コロナ後のANA再開もデイリー運航は困難だろう

カンボジアへの日本からの直行便はコロナ以前はデイリー運行であったが、研修生の搭乗は季節性があり、常識的にコロナ後に再開しても隔日運行となるだろうと見ている。どこの民間航空会社とて独裁国家の面子の保護政策がない限りーかつて日本航空:JALがナショナルキャリアとして持ち上げられて政治家利権の食いものとなって経営が破綻した。タイ航空も同じであるー直行便が観光客相手で飛ばしたら商売にならないのは国内、国際線とて同じことである。要は、ビジネス客が増える見込みがないと飛ばないのは常識である

コロナ後のカンボジア、中国化でビジネス客がどれだけ増えるだろうか。よくてタイ+1,ベトナム+1と見られている。

掲載写真:イメージ、ベトナムのホーチミン市タンソンニャット空港 画像:Khmer Times

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