政府は13日、プレアシハヌーク州のレアム海軍基地で中華人民共和国による建設が進行中であると主張する米国大使館からの声明に反論した。
カンボジア政府の報道官:Phay Siphan氏は14日、「米国からの告発は根拠がなく、フンセン首相が過去に何度か虚偽であると証明した主張の繰り返しに過ぎない」と政府系メディア:Khmer Timesに語った。
また同氏は、「カンボジアはそれ自身でレアム基地を開発する能力が非常に高く、いかなる外国もその主権領土に軍事施設を持つことを許可しないだろう」、「リーム海軍基地の建設開発に関しては、アメリカを含むあらゆる国と中国の支援を歓迎します」と述べた。
米国大使館・報道官:チャド・レーデマイヤー氏は11日、「中華人民共和国による重要な建設がリーム海軍基地で継続しているという一貫した信頼できる報告を認識している」と述べ。
「カンボジア政府は、このプロジェクトの意図、性質、範囲、または海軍施設の使用目的について懸念を引き起こしている中国軍の役割について完全に透明ではない」と言う。
さらに、「レアム海軍基地での外国の軍事的存在は、カンボジアの憲法に反し、地域の安全を損なうだろう」と同氏はカンボジア政府に注意を促し、カンボジアの人々は「リームでのプロジェクトについてもっと知り、彼らの国に長期的な影響を与えるこの種の軍事協定について発言するに値する」と付け加えている。
Khmer Times 記事内で「米国の指摘を具体的に上げる」
上記の米国大使館の報道官によれば、
・8月から9月にかけて、3つの新しい建物が建てられ、リーム海軍基地で新しい道路が開通しました。
・MaxarTechnologiesとPlanetLabsの衛星画像は、8月9日から22日の間に、基地の北側に2つの新しい建物が建設されたことを示しています。これらは、春に建てられた2つの隣にあります。
・8月下旬、リームの南東ゲートから新しい施設を収容する沿岸地域までの新しい道路の工事が始まりました。その作業は10月初旬の時点で進行中でした。清算作業も8月に、新しい道路の南東端から、道路の北にあるベトナムの資金提供を受けた病院の裏側、そして真西に伸びる小道で始まりました。
・これは、この2番目の潜在的な道路が、中国のアクセス協定のニュースが発表される直前の2019年にカンボジアが開墾し、フェンスで囲った広い土地と交差する方向に進んでいることを示しています。 そして、米国が資金提供した海事安全保障委員会の戦術本部が昨年の秋まで立っていたさらに南では、別の樹木が伐採され、水路が掘られました。
といった具体的な指摘である。そして不思議なのは、政府系メディアとして知られるKhmer Timesが、こうした米国の指摘や懸念を具体的に記事内に取り上げていることである。にべもないカンボジア政府から反論を載せるといった記事ではない。
ここ1年、カンボジアー米国の関係は好転し、米国、中国の間でカンボジア政府の外交はそのバランスの腐心しているかの感がある。
この点は読者の考察を待つしかない。なお、米国の保守的論調で知られるWall Street Jounal紙は10月14日付けの国際部門で「中国、カンボジアと海軍基地の利用で合意 30年間の契約か」という題名の記事をネットに掲載した。当然米国政府からのリーク記事である。
2015年頃から、米国はダラサコー・リゾート内の空港建設とこのレアム海軍基地の中国軍事基地化の懸念を何度カンボジア政府に警告し、その都度カンボジア政府は懸念は当たらないという反論を繰り返しているが、米国はこれら2つの場所を常時関心もってその動きを監視しているようである。
掲載写真:カンボジア政府報道官;Phay Siphan氏 画像:Khmer Timesより。
衛星画像:「中国の軍事基地化の懸念」画像:Wall Street Jounal紙の記事より