
18の非政府組織(NGO)は、タイからカンボジア人出稼ぎ労働者約90万人が帰国したことに深い懸念を表明し、すでに不安定なカンボジアの雇用と経済情勢に深刻な影響を及ぼすと警告した。
NGOらは火曜日に発表した共同声明で、7月下旬にカンボジアとタイの国境沿いで5日間続いた武力衝突をきっかけに始まった今回の帰還の規模は前例がなく、約26万人の労働者が帰国した新型コロナウイルス感染症のパンデミック期をも上回るものだと強調した。
声明では、帰還労働者の多くが食料や雇用機会の不足など、差し迫った困難に直面していると指摘されている。
労働人権センターによると、すでに700人以上の労働者が、雇用へのアクセスが特に限られている農村部に戻っている。
労働職業訓練省は8月に工業とサービス部門で19万件の求人があると発表したが、帰国労働者の大半は建設業と農業の技能を有しており、労働力の供給と需要のミスマッチが生じている。
NGOは政府に対し、帰国する出稼ぎ労働者の家族への現金援助を拡大・増額すること、緊急食糧援助や、医療をはじめとする無料の公共サービスへのアクセスを強化すること、建設、農産物加工、インフラ整備といった労働集約型セクターでの民間雇用を促進するために臨時労働者割当制度を確立すること、特に建設、サービス、食品部門で経験のある熟練帰国者に職業資格証書を発行することを強く求めている。
労働職業訓練省のスン・メサ報道官は懸念を認めたが、労働者の帰国はカンボジアの成長著しい生産部門の労働需要を満たす「絶好の機会」になると強調したが…。
先の国境紛争地域から避難民の急増や大量のタイからの出稼ぎ労働者の帰国(要は失業者の大量発生)は労働職業訓練省のいう「絶好の機会」という主張とは実態をどれほど反映しているのか、という懸念が生じている。
掲載社員:Khmer Times

