AFP通信は、8月10日付で「中国出資のカンボジア巨大ダム、数万人の生活破壊 人権団体報告」を報道した。中国が出資するカンボジアの巨大ダムについて、エネルギー生産量が当初の計画を下回っている上、数万人の村人の生活を流し去った」とする報告書を10日、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)が発表した、というのが報道内容である。
カンボジア北東部にある発電量400メガワットの「セサン下流2水力発電所ダム(Lower Sesan 2 Dam)」は、2018年12月の開業以前から長らく論争を巻き起こしており、水産専門家は、資源豊かなメコン(Mekong)川の主要な支流であるセサン(Sesan)川とスレポック(Srepok)川の合流点をダムにすると、メコン川の氾濫原沿いに住む数百万人にとって重要な水産資源が脅かされると警告していた。カンボジア政府は、建設を担った中国電力大手・中国華能集団(China Huaneng Group)が約束した通り、カンボジアの年間電力需要の約6分の1が賄われることを期待して、約5000人の再定住を伴うダム事業を推進した。だが、実際の生産量は当初計画の3分の1程度にとどまっているという。
早速、例の如くカンボジア政府は人権団体の報告書を否定
権威あるAFPの報道とあって、カンボジア政府は過敏な反応の否定である。
政府のスポークスマンPhaySiphanは、この報告は個人的なものであり、現実を反映していないと述べた。
「セサン2ダムの開発は人々に収入をもたらしています。引っ越した後、彼らは古い家よりも良い家と土地を手に入れました」と彼は言いました。
同氏は、政府は市民やマイノリティを孤立した地域に住まわせるだけでなく、繁栄と現代的な生活様式、特に医療サービス、教育、雇用をもたらし、ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告が非現実的であることを示していると述べた(ー反論側は具体的な証拠を示していないー)。
「電気はカンボジアが経済に奉仕するために必要なものであり、私たちは地域社会のために電力を生産し、それは私たちの国の経済を助けます」と同氏は述べた。StungTreng州副知事兼報道官:Men Kongも昨日、Khmer Timesに次のようにコメントしました。「開発は常に地元の人々に少し影響を与えますが、利益は影響を上回ります。」と語る。だが、ヒューマンライッツが具体的な数値を上げているのに対し、政府の反論には政府系報道紙であるKhmer Timesの報道では何等具体的な数値等の裏付けがでていない。
大規模開発に伴う影の部分、そこで影響を受けた人々の声や具体的なこれから結果として人々の前に見えて来るだろう。それなくしては単なる言葉合戦に過ぎない。