ミャンマー外交、行き詰る?カンボジアのASEAN外相会議の延長

NHKニュースは13日、「カンボジア ASEAN外相会議延期を発表 ミャンマー情勢影響か」と見出しで報道があった。もちろんカンボジア国内では、この種の報道は現在のところない。

NHKのニュースによれば、

「ASEAN=東南アジア諸国連合のことしの議長国を務めるカンボジアは来週に予定していた外相会議を延期すると発表しました。クーデター後の混乱が続くミャンマー情勢への対応をめぐって加盟国の姿勢が異なっていることが影響した可能性もある。」と伝えている。

ASEANの外相会議は今月18日から19日にかけてカンボジア北部のシェムリアップで対面形式で開かれる予定であったが、ことしの議長国のカンボジアは12日、延期を発表しました。
会議の直前になって延期が決まるのは異例で、理由について「多くの外相の訪問が難しくなったため」と説明しています。新たな日程や開催の方法については触れていない。

カンボジアでは、この種の予定変更は外交日程においてもけして珍しいことはなく、誰もが何か問題があるんだと、受け止めるのが常である。

シェムリアップでのオミクロン株市中感染への懸念ではあるまい。12日現在、公式発表でオミクロン株市中感染は28症例となっているが、プノンペンとカンポット以外の場所の発表はない。

先の「議長国カンボジアのフン・セン首相はすべての加盟国での開催を目指す考えを示し、今月7日にはミャンマーを訪問して軍トップと会談するなど独自の外交を進めていたが」(NHKニュース)がミャンマー軍事政権言う「停戦」は実質外交儀礼以上のものでなく、実現していない。事実、フンセン首相の訪問時に非合法なクーデターで権力を握ったミャンマーの軍事政権に「お墨付き」を与えるものという内外から批判は高く、訪問時にはミャンマー各地であからさまな抗議活動が各地で起こった。

*下の投稿記事を参照。

 

ASEANは加盟国のミャンマーについて軍が民主派に対する弾圧を続けていることなどを理由に首脳会議への軍トップの出席を認めていないが、議長国カンボジアのフン・セン首相はすべての加盟国での開催を目指す考えを示し、今月7日にはミャンマーを訪問して軍トップと会談するなど独自の外交を進めている。これに対しASEAN諸国のなかには批判的な空気があり、加盟国のなかから「軍の統治を正当化しかねない」といった懸念が出ている。

ミャンマーの軍事政権のASEAN参加に好意的なのは、同じく非合法な政権に近いタイ、中国の影響力の強いラオス、カンボジアなどで、他のASEAN諸国は冷ややかーベトナムーか、批判的ーマレーシア、インドネシアなどーである

国内メディアでは日本の支持が記事になっているが、カンボジア以外の他国や日本国内でそうした内容を示す報道はない。あってもかねてより軍に食い込んでいる笹川財団ぐらいであろう。

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