ベトナム前駐日大使を逮捕 コロナ禍帰国便で不正疑い

12月23日、日本で大きく報道されたニュースである。前駐日ベトナム大使がコロナ禍を利用した収賄事件として国内はもとより、日本でも話題となっているが、ベトナム人やベトナムを知る者ならさもありなん、と思った人も多いだろう。

ここ5年以上、日本への技能研修生送りで端からベトナム・マフィアが関わっていることは内外に周知であり、在日外国人の犯罪率は中国人を抜いてトップの座を占めている。それ以前は国営ベトナム航空の職員が毎年のように日本国内で密輸、盗品で逮捕されていた。近年では、空き巣、果物盗みから高級車盗難で活躍するベトナム人留学生や研修生は多い。勤勉との評判もあるが、一方で帰国するやマフィア構成員になる者も多い。それにベトナムの公共機関の賄賂体質は中国と共によく知られている。抑圧国家ほど腐敗に蝕まれている。

このほど、ベトナム捜査当局は22日、ブー・ホン・ナム前駐日大使を逮捕したと発表した。

新型コロナウイルス禍に日本に在住するベトナム人の帰国便手配を巡り、不正な賄賂を受け取った疑いである。ナム氏は今秋まで駐日大使だったが、ベトナムに呼び戻され、捜査が続いていた。

複数のベトナム・メディアが報じている。ナム氏は外務次官を経て2018年から駐日大使だった。ベトナム人の帰国便を巡っては、コロナ禍で座席数が限られる中、優先的に搭乗させた乗客から関係者が賄賂を受け取った疑いが持たれている。

一連の事件を巡っては元外務次官や元副首相補佐官、前駐大阪総領事らが既に逮捕されている。

ベトナム共産党の中央検査委員会は21日、党の最高意思決定機関である政治局に対し、ブイ・タイン・ソン外相の処分を検討するよう提案しており、関係者の処分はさらに広がる見通しだ。共産党一党支配のベトナムはグエン・フー・チョン党書記長が中心になり汚職撲滅を強力に進めており、党幹部や企業トップの逮捕が相次いでいる。要はコロナ禍もチャンスだ!と思う奴らがいるということです。

まさに「絶対的な権力は、絶対的に腐敗する」(イギリス政治の格言)を地でいっている。その代表例がプーチン宮殿である。これを嗤えないのは、「一国の指導者の知的レベルは、国民の知的レベル以上にはならない」(同格言)という言葉がある。情けないことだが、日本も含めて事実に近い。

掲載写真:前駐日大使・ケム氏 画像:日経新聞

おすすめの記事