カンボジアのメディア機関であるプノンペン・ポストは、今月末で「印刷版新聞の発行を中止」し、 30年以上の出版歴に幕を下ろすことを発表したが、報道機関としてデジタル形式で運営は続けるという。
このニュースは3月1日、同メディアの公式Facebookページ経由の投稿で発表された、その内容は次のように述べられている。
「テクノロジーの急速な進歩とソーシャルメディアを通じたニュースの広範な流通も、同社に深刻な財政難を引き起こしている」ことが紙媒体のニュース報道を中止する理由にあげている。
同メディアの発表によれば、
「株主の皆様は、当社の財務状況を立て直し、30年以上続いている独立系専門紙の発行を継続するために、あらゆる手段で資金を注入し収益を上げようと努力してきました。こうした努力にもかかわらず、同社は依然としてこれほどの損失を負担し続けることはできない。したがって、当社の株主は、誠に遺憾ながら、英語版とクメール語版の両方の新聞の発行を2024年3月29日までに中止することを決定しました。これまでプノンペンポストをご支援いただきましたお客様、読者、ビジネスパートナーの皆様に心より感謝申し上げます。」
とある。
同メディア機関は発行人のマイケル・ヘイズとキャスリーン・オキーフによって1992年に設立されたメディア機関で唯一の合法的な欧米企業の新聞媒体でカンボジア最古の英字新聞であった。だが、最近、カンボジアの急速に変化するデジタルニュースネットワークの中で重大な危機に直面しており、ビジネスモデルを印刷からデジタルに転換するのに苦労していた。
プノンペン・ポストは、英語版とクメール語版の両方での印刷媒体の発行を2024年3月末までに終了する予定です。
同ポスト紙の現CEO兼発行人であるリー・タイセン氏は、AP通信に対し、プノンペン・ポスト紙はデジタル形式(オンライン)での報道の継続を通じて、ニュース報道を続けていくとその決意を述べている。
時代の流れとはいえ、寂しい限りである。
掲載写真:Khmer Times