3月14日、プノンペン都の隣接、カンダル州で突如、感染爆発と見られる新規感染者の大量発見があった。これまでプノンペンと市街地がつながるカンダル州の州都タクマウはプノンペン都の感染とのつながりでの感染増と見ていた節がある。が、保健省作成の感染ホットスポットマップを見ると、14日以降州都タクマウから離れたベトナム国境地域が赤丸×印の記載が集中するようになった。そこがカンダル州トム島地区で6つのカジノが集中する。そして新規感染者に中国人が多数を占めているのは、中国人の所謂「飲む、買う、打つ」の夜の遊び場であった。
こうしたカジノ地域は、タイ国境のポイペト、ベトナム国境のバベット、そして中国人以外の外国人やカンボジア人から行楽地として外したシハヌークビルはよく知られていたが、カジノに無縁な多くの外国人には特にカンダル州トム島地区は無縁な名であった。迂闊であったが、中国人はプノンペン都のN8ナイトクラブ以外にそうした場所を知っていた。ポイペトならタイ人、バベットならベトナム人の遊び場だが、トム島はシハヌークビルと並ぶ中国人には有名な遊び場だったのだろう。べトナム国境にあっても、ベトナム人の遊び人は少なかったのだろう。
16日、保健省の発表が遅れたのか、それを一手引き受けるKhmer Times に忖度が働いて遅れたのか、報道は午後になった。実にカンボジアでの1日当たりの新規感染者の確認が105人なったのだ。そしてカンダル州がプノンペン都を抜いて多数の感染者でトップになった。その数64人、それが全てトム島のカジノ関連であった。
翌17日もKhmer Times の報道は遅れ、午後になった。<2月20日市中感染事件>での感染者は990人、翌日の1000人超えを多くの人が予想した。
報道の遅れは政府・保健省の狼狽が公認報道機関のKhmer Timesに及んだかのような狼狽ぶりだった。既に同事件発生時の想定を遥かに超える第3波は感染爆発状況となっていたのだ。
早速、カンダル州の感染爆発の原因が明らかになるが、裏を返せば「だらしない」管理の実態だった。またかよ、といった姿である。
だが、幸運もある。20日現在までカジノのあるトム島以外の感染者は1名であった。カンダル州知事は「感染者はある地域に限られ、感染は制御可能である」と断言している。(18日報道)
18日には<2月20日事件>関連でカンボジア全土で1都9州の地域で感染者を確認し、この日午前1人、午後1人の計2人がコロナ患者として死亡した。
想定外の感染爆発状況 WHO コロナと闘いの臨界点と認識
そして同事件から1か月目の20日、感染者1115人を数えるを至り、カンボジアのコロナ禍・第3波は、「WHO 対コロナの闘いでカンボジアは臨界点と認識、首相は状況は悪いと認識」と報道されている。まさに当初の予想を大幅に裏切る想定外の感染爆発状況となった。
<2月20日市中感染事件>の発生日から1か月、本サイトでは「ドキュメント・想定外の感染爆発」と3つの記事で時系列にまとめてみました。コロナ禍の1日でも早い収束、皆さんと共に祈っています。
ドキュメント・番外編
<2月20日市中感染事件>について謀略・陰謀論を唱えるKhmer Times
そうした感染爆発に至るカンボジアの感染状況のなか、Kheme Times は奇々怪々の記事や奇怪な謀略・陰謀論を唱える調査報道という名で無署名の記事を2回にわたり掲載した。こうした謀略・陰謀論は政府の公認した事実発表もなく、あまりに荒唐無稽な記事でカンボジアのメディアで唯一KHmer Timesのみ主張する記事で中国の「環境時報」を下書きにした記事である。さすが政府が公認見解でもなく、他に追随するメディアもない。