
タイ外務省は、タイ軍の上級司令官がカンボジア領土を奪取すると脅迫したというカンボジア側の主張を否定し、その主張は司令官の発言の「誤解」であるとし、両国に対し、国境沿いの不安定な停戦の維持に注力するよう求めた。
同省は11日(月)に発表した声明で、8月10日のインタビュー中におけるタイ第2軍管区司令官ブンシン・パドクラン中将の発言について言及した。国防省を含むカンボジア当局は、これらの発言を、カンボジアが自国の領有権下にあると主張するタ・クラベイ(タクワイ)寺院を制圧し、タモアントム寺院を閉鎖する計画の証拠であると解釈していた。
タイ外務省は、この解釈は「誤り」であるとし、「タイ側はカンボジアの主権を侵害するためにいかなる部隊も再配置していない」と強調した。さらに、タイ軍は「停戦発効時に配置されていた位置に留まっている」と付け加えた。
同省は、タイは8月7日の臨時国境委員会(GBC)会合で両国が合意した停戦条件を引き続き遵守すると改めて表明した。
この合意に基づき、両国は2週間以内に地域国境委員会(RBC)会合を開催し、それぞれの地域での停戦の実施と軍の配置について協議する。
「タイはカンボジアとのRBC会合に参加する用意がある」と声明は述べ、こうした会談は誤解を防ぎ、国境の平穏を強化することを目的としていると指摘した。
一方、同省はプノンペンに対し、合意を完全に尊重し、特に国民に混乱を招き、平和的対話につながる雰囲気を損なう可能性のある「虚偽の情報やフェイクニュースの流布」を控えるよう求めた。
この声明の交換は、10月に退役予定のブーンシン中将の8月10日の発言を受けて緊張が高まる中で行われた。
カンボジア当局は将軍の発言を計画的な侵略の「否定できない証拠」と評したが、バンコクは将軍の発言は誤って伝えられたものであり、カンボジアの主権を尊重する姿勢を主張している。
なお、停戦後、パチンコをタイ、カンボジアの両軍が向け合う写真をカンボジア国内メディアが報じ、その後にタイ軍の挑発という批判記事になったが、タイメディアではこうしたパチンコ合戦を幼稚な報道と批判している。
掲載写真:タイ軍

