タイ、国境紛争停止の協議を前にカンボジアに厳しい警告

タイのメディアが報じたところによると、タイのナタポン・ナルクパニット副首相兼国防相は、12月24日にチャンタブリー県で予定されている国境総合委員会(GBC)の会合を前に、12月23日にカンボジアに対し厳しい警告を発した

タイの首相官邸での閣議後、同氏は、「カンボジアが和平の約束を守らなければタイは対応する用意がある」と強調した。

ナタポン将軍は、次官級で開催される次回の会合は和平宣言に基づいて行われるものの、より厳しい条件が課されると述べた。また、カンボジアによる違反行為を中心とする5つの基本原則に合致する結果が得られない限り、タイはいかなる合意にも署名しないと述べた。

同将軍は、カンボジアが対人地雷を保有・製造し、新たに製造した地雷を使用し、2025年10月26日の共同宣言調印後に地雷を敷設したことでオタワ条約に違反していると非難した。

また、カンボジア軍がタクラベイ寺院、クナ寺院、プレアヴィヒア寺院などの古代遺跡を軍事拠点として利用し、民間人居住地域からBM-21ロケットを発射していることを指摘し、民間人の安全について深刻な懸念を引き起こしている。

ナタポン将軍はさらに、軍服を着た女性たちがタイ兵に発砲する映像を挙げ、カジノを含む民間の建物を軍の陣地や武器庫として利用し、民間人を人間の盾として利用していることを批判した。

タイのアプローチは3つの段階を経てきたと、彼は説明した。2025年7月24日までの平和的交渉、7月28日の衝突後の抑制、そして現在進行中の敵対行為とカンボジア軍によるBM-21ロケットの継続的な発射により、交渉が緊迫化している段階である。

同将軍は、「カンボジアの指導者たちが停戦への意欲を表明しながらも、紛争の長期化への備えを示唆している」と指摘した。

ナタポン将軍は、タイは国際法、特に国連憲章第51条の自衛権に基づき、引き続き主権を防衛していくと強調した。一部の外国がカンボジアを支持しているように見えることは認めつつも、タイは戦場における作戦行動と国際外交の両面において、検証可能な事実に依拠していくと強調した。

同氏は、タイは戦闘作戦、外交、心理作戦、情報戦など複数の戦線を管理しており、最新情報はチャンネル5の合同情報センターを通じて提供されていると説明した。

部隊の配置は準備が整っているものの、カンボジアからの攻撃が継続した場合にはタイは相応の対応を取ると指摘した。

タイのカンボジアへの不信感に裏付けられた厳しい要求は具体的であり24日の停戦協議も難航することが予想されている。

*国境紛争の実相は、Wikipediaの「タイとカンボジアの国境紛争」をご参照ください。7月の武力衝突に関しては、対立する双方に対する検証に基づく記述があります。12月8日からの紛争については、「ミネルヴァの梟は夕暮れに飛び立つ」(ヘーゲル)ように、戦争の実相は現在進行形では第3者はつかめず、対立する双方の心理戦の様相もあり、実相は終わってから明らかになってきます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%81%A8%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%81%AE%E5%9B%BD%E5%A2%83%E7%B4%9B%E4%BA%89

上記のような記事をタイメディアからという形でKhmer Timesが掲載したことは、当然カンボジア政府から以降であり、24日から始まる停戦再開協議についての国民への説得ともみられる記事と思われます。

掲載写真:タイ軍 Khmer Times掲載

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