タイ、国境沿い地域(2県)に戒厳令を布告
近隣国情報 タイ政府

タイ軍は、カンボジア軍による国境沿いの武力侵攻に対応する必要があるとして、チャンタブリー県とトラート県の複数の地区に正式に戒厳令を宣言した。

チャンタブリーおよびトラート国境防衛司令部が出した公式発表の中で、アピチャット・サプラサート海軍中将は、この措置は紛争の激化を踏まえ、タイの主権、領土保全、公共の安全を守るために必要であると述べた。

この声明は、2006年にタイ全土に敷かれた戒厳令に言及している。この戒厳令は2007年に一部解除されたものの、特定の地域では依然として有効となっている。タイ当局は最新の情勢を受け、東部国境沿いの地域にも戒厳令の指定範囲を拡大した。

命令によると、現在戒厳令はチャンタブリー県のムアン・チャンタブリー、ターマイ、マカム、レーム・シン、ケン・ハン・メオ、ナ・ヤイ・アム、カオ・キッチャクトの各地区で発令されている。トラート県ではカオサミン地区にも戒厳令が敷かれている。

この命令は、軍当局に対し、移動の制限、通信の制御、国防のための資源動員などの権限を含め、安全を確保し法と秩序を執行するための拡大された権限を与えるものである。

タイ軍は、この動きは国境を越えたカンボジア軍の行動に対する防衛的な対応だと主張している。しかし、カンボジア当局は侵略行為を否定し、古代寺院群付近の領有権をめぐる係争地におけるカンボジアの自衛行動だと主張している。

掲載写真:タイ国内メディア

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