タイ カンボジアは野生動物密売の「主要市場」であると指摘
タイ 虎の子を押収

農林水産省は、カンボジアが野生生物の違法取引の主要市場であるというタイ警察の指摘を受けて調査を行っている。

農業省報道官:イム・ラクナ氏は17日(水)、クメール・タイムズに対し「この問題は調査中」と語り、現時点ではそれ以上の情報は公表されないと付け加えた。しかし、この容疑はまだ否定も受理もされていない」と述べている。

*いつもなら外国からのカンボジアへの指摘があると、カンボジア国内向けに激しく反発する姿勢を見せる政府官庁だが、このタイの指摘にはそうした反発は、今のところ見られていない。

16日(火)、トラの子2頭と象牙約100キロの違法取引の容疑で2人の容疑者が逮捕された。バンコクポスト紙によると、「容疑者2人はカンボジアがこうした違法取引の主な市場である」と主張している。

タイ警察は、「カンボジアがそのような野生動物不法売買の主要市場であることを証明する十分な証拠がある」と強調している。「この2頭の子トラは(チョンボリ県の)シラチャ地区にあるトラ農場から来たものだと我々は考えています。(オンラインの)チャットメッセージから強力な証拠を得ています。この農場の主な市場はカンボジアです」とタイ国立公園局長:チャイワット・リムリキタクソン氏は15日にバンコクポスト紙の取材に語っている。

奇妙なことにカンボジアでは公式に野生のトラは既に絶滅している。そのため、インドからトラを輸入し、繁殖させ、トラの生息を回復させるといったプロジェクトが今年になんて喧伝された。タイの主張によれば、トラは依然として生息していることになる。カンボジア西南部の広大なカルダモン山地の樹林帯は今なお人跡未踏の地が拡がっている。それゆえに毎年の如く、新たな種の発見が続いている。要は単に未調査の地域が広大であるにすぎない。が、こうした官庁さえ把握していない広大な地域の森林に密猟者は分け入っている。

これに対し、カンボジア環境省の報道官クヴァイ・アティヤ氏は水曜日、クメール・タイムズに対し、カンボジアは野生生物の密売を禁止する強い立場を維持しており、100%の法執行に取り組んでいると語った。「野生生物の違法取引に関しては、我々は100%の法執行に尽力しています」、「我々はまた、全国的な自然資源保護の有効性を確保するために、地方当局との協力を強化する努力も行いました。」

同氏はさらに、「同省は治安部隊がより効果的に法執行に参加できるよう保護地域を特定するための地図を提供しているだけでなく、汚職対策部隊、憲兵、関連当局と緊密に協力して適時に介入を行っている」と述べいる。

またカンボジア政府は、「環境省が開始したわな猟ゼロキャンペーン第2フェーズのように、カンボジアの野生生物種の保護に多大な努力を払ってきた。このキャンペーンは昨年6月に成功裏に終了し、野生生物保護に関する意識の向上、野生動物の肉の密売の阻止、保護地域でのわな猟の削減につながった」という。が、いずれのカンボジア政府、官庁の主張は公式見解に過ぎず、タイからの指摘に具体的に応えた、また否定したものではないようだ。

掲載写真:16日(火)タイのスリン県での囮捜査で摘発され、保護されたトラの子ども、他にトラの子1頭、象牙100㌔を押収。 バンコクポスト掲載

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