日本でも物価高が続き、生活での消費は一般的に倹約ムードである。カンボジアでは楽観的な、希望的な観測が何度も喧伝されていたが、ここにきてカンボジア経済が減速傾向であることが明らかになった。特にごくごく一部の富裕層を除いて、一般大衆の収入は減り、それに伴って消費も減少傾向である。要はコロナ禍から脱却しても「生活は楽じゃない」のである。
なおカンボジアのメディアが報道するこうした公式発表の数値は当てにならない。楽観的な観測では数値は大きく、悲観的な事実の数値は小さくというのが国内報道ではごくごく普通である。だから、カンボジア人も在住外国人も日常の肌感覚で経済状況を見ることになるが、その数値も、肌感覚の実感をいつまでも誤魔化しているわけにはいかなる。そうした状況を踏まえて数値を読み解いていただきたい。
カンボジアの平均世帯月収は、2022 年第 4 四半期の 392 ドルから 2023 年第 1 四半期には 385 ドルへと 1.8 パーセント減少し、前年同期の 390 ドルと比較して約 1.3 パーセント減少しました。そして平均世帯の収入合計は、さらに減少しました。要はミドル層の収入減である。
今年2月にクメール語で5つの地域の消費者2,000人を電話で調査してまとめられた調査「2023年第1四半期」では、プノンペンを除くすべての調査対象地域で世帯月収が減少していることが示された。それは当然、消費にもあらわれて来る。プノンペンはごく一部の富裕層の贅沢買いは変わっていないが、プノンペンでも大多数の生活は徐々に消費支出を減らしてきているのである。
この調査では首都、高原と山岳地帯、沿岸地域、トンレサップ湖と平野部の16歳から65歳の消費者を対象としており、回答者の36%の世帯収入が今年第1四半期に減少したのに対し、44%は世帯収入が減少したと指摘した。 20%は世帯収入が変わらないと回答し、20%はそれぞれ世帯収入が増加したと回答した。
実感としてプノンペンでは、輸入品である消費物質の値段は、ここ1年、次々に値上がっている。
掲載写真:イメージ、こうしたスーパーを利用するのは一部の富裕層やその子弟、在住外国人が中心である Khmer Times