今年のアセアン議長国であるカンボジアは5月6日、ミャンマーへのアセアン人道支援に関するハイブリッド協議会を主催する。
外務省のプレスリリースによると、アセアン議長のミャンマー特使であるプラック・ソコン外務大臣とアセアン事務総長のリム・ジョク・ホイが協議会の共同議長を務めるという。
会議には、すべてのアセアン加盟国、アセアンの外部パートナー、国連専門機関、その他の関連する国際機関からの代表者が物理的およびオンラインで出席する予定であるという。「これは、アセアンが人道主義の原則に基づいてミャンマーの人々にアセアンの人道支援を進める方法についてのガイダンスを提供するのに役立つ複数の利害関係者の対話を開始するための高レベルのプラットフォームを提供するためだ」という。
これは、ミャンマーでの人道支援の提供を強化する方法について、相互に合意できる解決策について話し合うことを目的としており、災害管理に関する人道支援のためのASEAN調整センター(AHAセンター)が直面する運用上の課題にどのように対処するか。特にミャンマーのすべてのコミュニティへのCovid-19ワクチンの配布をサポートする方法の協議である。地域問題に関するベテランのタイ人ジャーナリスト:カビ・チョンキッタヴォルン氏は3日(火曜日)にバンコクポストにミャンマーへの人道支援の記事を掲載した。ミャンマーでは、人道支援を必要とする数はまもなく100万人に達するであろう。この会議は、ASEANが合意した5点合意の実施の一部であり、そのやるべき5つの緊急の課題の1つは、人道支援を提供することです」と彼は記事に書いている。
これはASEANの5点合意の重要なポイントですが、成功または失敗はミャンマーの軍事指導者の協力と誠意さにかかっていると、カンボジア王立アカデミーの国際関係研究所の所長であるキン・フェアは述べています。
ご存じようにロシアのウクライナ侵攻で世界に眼が引き付けれられ、ミャンマーの軍事政権の残忍な統治と殺戮はこの時期をチャンスと捉えている節があり、先日の軍記念日ではミャンマー軍政の指導者は「民主派を全滅させる」と演説している。今やミャンマーの内戦は「忘れられた戦場」とも言われているが、ミャンマー軍政権はASEANの働きかけ世界各国から批判に全く耳を傾ける気はない。こうした残忍な軍政に今年1月、スタンドプレーにようなフンセン首相の外交は、軍政に接近ともいえる外交姿勢であったが、ASEANの合意を逸脱していると域内の各国から厳しい批判で出て1月開催のASEAN外相会議を延期せざるを得なかった。その後、カンボジア外交はASEAN合意に戻り、現在は議長国としてふるまっている。
問題はミャンマー軍政権がその性格から言って全く国内の人道危機を意に介さない姿勢を示していることである。人道危機のなか、ミャンマーの民主派は自衛軍を組織し、反政府少数民族の武装組織と連携し、粘り強い抵抗を示している。ウクライナでの敗色濃いロシア、その状況次第では、世界の眼は再びミャンマーに戻って来る。ロシアの弱体化は結果的に中国の自制を促し、ベラルーシのみならず、世界各地に独裁国家の揺らぎに通じることは間違いない。
掲載写真:プラック・ソコン外務大臣(R)とリム・ジョク・ホイASEAN事務総長。 外務省提供
画像:Khmer Timesより