文化省によると、2021年タイで亡くなった物議を醸しているコレクター兼ディーラーのダグラス・ラッチフォードの家族によりカンボジアに返還された100以上の石造と青銅造のクメール古美術品のうち最初5つが9月29日にプノンペンに到着したという。これ等は所謂カンボジアからの盗品である。
*YouTube動画より
自分は略奪者ではなく古美術の「保護者」と称していたラッチフォード氏は、米国で重罪を犯した者として起訴され、そこでカンボジア政府が彼の身柄引き渡しを要求されている最中に病気で亡くなった。だが彼は死亡以前に、彼のコレクションの一部をカンボジアに返すことにすでに同意していた。それは、略奪されたクメール古美術品の売買に何十年にもわたって関与したとされる彼の罪の結果であった。
文化省は30日の記者会見で、「これらの古美術品の到着は、カンボジア政府とラッチフォードの家族との間のクメール文化財の返還に関する合意の一環として、昨年9月に彼の死後間もなく行われていた」と述べた。
「これらの5つの彫像は、プノンペンにあるカンボジア国立博物館に運ばれ、専門家が展示する前に、必要に応じて評価、清掃、修理を行います。これらの国宝の公開展示は、政府が発表する適切な時期に行われる返還式典から始まる」とのことである。
文化省・報道官Hab Touch氏は、この9月30日、5つの彫像が午後5時にプノンペン国際空港に到着し、午後9時までに国立博物館の敷地内に無事に運ばれた地元メディアに語った。「ラザフォード・コレクションの古美術品が置かれている4か国からの持ち帰り始めるための準備に多くの時間と労力を費やし、Covid-19パンデミックが発生しましため、仕事はさらに困難をもたらした。」
「当初、これらの遺物を3月からカンボジアに持ち込むことを期待して計画を立てましたが、パンデミックによる旅行の中断と一部の国での封鎖により、本国送還が遅れました。しかし、私たちはその経験から多くのことを学びました。次回はこれをはるかに速く行うことができると思います」と同氏は述べている。
2021年1月に、文化省は、コレクションを返還させるために3年間の交渉を費やし、その最中にラッチフォードの死後、彼の娘さんは100を超える古代クメール文化からなるラッチフォード・コレクションのクメール古美術全てを返却することを同意したと発表した。
そして6月、米国政府は、アンコール期の仏教及びヒンズー教の彫像を含む27のカンボジアの古美術品をカンボジアに返還しました。古美術品は米国に密輸され、闇市場ディーラーによって販売されもので、その後の米国当局によって法執行によって回収されたものである。
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掲載動画及び写真:Khmer Times 及び Phnom Penh Postより。