ASEANはミャンマーの危機と平和計画を再考するー対応の変化を示唆ー

フン・セン首相は、「今年 ASEAN 議長国として、ミャンマーがさらに多くの囚人を処刑し続ければ、ASEAN はミャンマーの危機を再考する可能性がある」と述べた。

「政治的対話、平和、和解のために死刑判決を再考するよう私や他の人々が訴えているにもかかわらず、カンボジアとすべての ASEAN 加盟国は、野党活動家の処刑に深く失望し、動揺している。」

「さらに多くの囚人が処刑される場合、ASEAN の 5 項目コンセンサスに対する私たちの役割を再考せざるを得なくなるでしょう」

「現在の状況は劇的に変化しており、4 人の野党活動家が処刑された後、5 項目コンセンサス以前よりもさらに悪化しているという認識をASEANは共有しており、ミャンマーに関して、ASEAN は多くの時間とエネルギーを費やし、多くの困難と批判に立ち向かい、この国とその人々が何らかの政治的解決策を見つけられるよう支援してきた」、「私たちは、ASEANの団結をいかなる形でも危険にさらすことなく、これを続けていきます」とASEAN議長国としてフンセン首相は強調した。

融和外交の破綻とASEANのミャンマーへの強い姿勢を示唆

フンセン首相のASEAN議長国として言明は、カンボジアの突出したミャンマー軍事政権への融和外交が頓挫しただけでなく、ASEANの共同意思への無視など、ミャンマー軍事政権の露骨な姿勢に失望の念の表明したもの、と受け取れる。敢えて、ASEANはミャンマー軍事政権により強い姿勢をとる可能性をも示唆している。

フン・セン議長は、「5 項目コンセンサスの実施は誰もが望んでいるほど進んでいないものの、私たちの取り組みは、特に最も必要としている人々への人道支援の提供において、ある程度の進展をもたらした」と付け加えるしかなかった。

要は、残忍なミャンマー軍事政権はクーデターから1年半経ってもなお、全土の掌握に至らず、全土の各地で民主派・反政府少数民族の抵抗に遭い、焦りを強めていることが、今回の民主派4人の処刑、ASEANの共通意思の無視という態度に繋がっている。そのためには、融和的な姿勢で接近する中国に対しても面子をつぶすような強硬策にでている。

掲載画像:カンボジアでのASEAN会議 画像:Khmer Times

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