米国と同盟国 中国によるサイバー攻撃を告発
米国は同盟国と共に7月19日、中国によるハッカーを使った世界的なサイバー攻撃活動を非難した。今年明らかになった米マイクロソフトへの大規模な攻撃が、中国のために活動しているハッカーの仕業だと指摘した。日米欧などが一斉に中国をサイバー攻撃の攻撃元だと名指しする異例の措置をとったというニュースは既に世界を駆け巡っているが、カンボジアもその攻撃対象になったと米国は指摘している。
中国の関与が指摘されるケースが各国で相次ぎ、一国での対応には限界があるからだ。米政府は今回、50程度の具体的な手口を挙げて注意を喚起した。手法は基本的なものが多く、人海戦術も組み合わせて弱点を執拗に攻撃する姿が浮かび上がる。
カンボジアも攻撃対象に
カリフォルニア南部地区の裁判所に提出された検察官の起訴状によると、陰謀の4人のメンバーは、2018年1月に「カンボジア政府省庁」のネットワークに侵入し、メコン川の使用をめぐる中国政府とカンボジアの間の議論に関するデータを盗んだ、という。
2018年1月10日頃、中国[中華人民共和国]がカンボジアを含む複数の国とメコン川の使用について話し合ったのと同じ日に、中国のハッカーはこれらの議論に関連してそのデーターに侵入したという。
また起訴状には、中国政府をバックとするメンバーがデータを翻訳するためにカンボジアの言語学者も募集したとも述べているが、盗まれたデータが具体的に何であるかについては詳しく述べなかったという。
これ対して、外務省報道官:Koy Kuong氏は、7月25日に連絡を取り、報告されている内容を調査していると述べた。
郵政省のソ・ビソシー国務長官は7月23日、ハッキングが行われたかどうか、どのデータが盗まれたか、それが重要かどうかについてはコメントしていない、と述べた。
中国大使館、当然のように否定、米国非難
一方7月22日、プノンペンの中国大使館は、国家安全保障省の4人の中国人ハッカーがカンボジアの省からメコンのデータをハッキングして盗んだという告発を固く否定した。
「中国はあらゆる形態のサイバー攻撃に断固として反対し、戦ってきました。中国は[これらの攻撃]を行ったり、サイバー攻撃を助長、支援、容認したりすることはありません。実際のところ、米国は世界最大のサイバー攻撃の発信源です。」
確かに米国はスノーデン氏の有名な告発で様々かな形で自国民のプライバシー情報にアクセスしたり、ドイツのメルケル首相の電話盗聴、日本との交渉では日本側の情報は筒抜けだった。だから米国も中国もサイバー攻撃で相手国から情報をだそうとしている、というのは常識であろう。米国が同盟国のドイツや日本の監視、またスノーデン氏が語っているように日本の横田基地内で日本の電力網は寸時に遮断することは可能だ、と言っているように、中国もまたやっている。それも親中国のカンボジアにしているというのが常識であろう。
さて当のメコン川委員会(MRC)は、ニュース報道から状況を認識していると述べたが、ハッキングはMRC事務局を対象としていないため、それ以上の情報はなかった。「ハッカーがどのような種類のデータを盗んだのかはすぐにはわかりません。また、なぜ彼らがこの試みをしたのかはわかりません。しかし、そうする動機となった興味深いまたは重要な何かがあるに違いない」と事務局は述べている。当然、その後の中国の動きに何か出て来るかで解る、と言っているようなものである。
掲載写真:狙われたのメコン委員会のデーター。画像:Phnom Penh Post